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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第32話 白銀と漆黒T
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。……あのアイテムもオレには必要ない」
そこまで言いうと、一呼吸置く。
リュウキは、キリトの目をしっかりと見つめ。
「……だが、そこから先のメリットとデメリットは キリト自身が考えてくれ。組むのを断るのなら、これ以上、無理にとは決して言わない。オレは手を引こう。……約束はしてもらうがな」
「……約束?」
「ああ。『死なない』とだ」
「っ……!」
リュウキの言葉を聞いてクラインは何も言えず、押し黙った。
そして、キリトは目を瞑った。目を瞑り考えた。自分にとって最適な選択はなんなのか?
それを導き出したのだ。
「オレは……」
目を瞑ったまま、キリトは思う。以前の自分なら、このSAOがデス・ゲームとなったとしてでも、多分、負けたくない と言うプライドが邪魔して、組むのに、少しは躊躇をしていたって思える。だが、今は違うんだ。
リュウキの言葉は心強く、そして、温かかった。何よりも、誰の言葉よりも。
「……よろしく頼む。リュウキ」
目を開けた時、キリトはリュウキの手を取った。これほど心強いものは無い。
この男のゲームの強さ。いや、ステータスの強さだけじゃない。
クラインの存在も、間違いなくキリトにとって助けになっている。
――……だが、なぜだろうか?
キリトにとって、リュウキの言葉はそれ以上だった。なぜ ここまで心に響いてくるのかは、キリトにはこの時知る由もなかった。
「ッ!! 待てよ、考え直せ! 2人とも無茶なことはやめるんだ。お前らの実力は疑わねえよ。そりゃそうだろう、この世界でトップクラスのプレイヤーだぜ? でもよ……いくらなんでも無謀すぎるだろ!たった2人で、年イチのBOSSとやるなんてよぉ! 今までのBOSSの定冠詞持ってた野郎共の事を思い出せ!」
クラインの言葉は、決して自分の為に言っていない。
自分達以外のプレイヤーにアイテムを取らせないように、少しでも手に入れる可能性を上げる為に、等と言った類のモノじゃない。
それは本当にわかるんだ。純粋に、自分を心配をしてくれている事が。そして、フラグMoB。BOSSクラスのモンスターをたった2人狩る。それが、如何に無茶な行動なのかもクラインは知っている。最前線にまで 戦い抜いてきた強者だからだ。
だが、それでも2人の意志は堅かった。
「確実に狙ったモノを獲るならこの方法しかない。増えれば増える程、確率で言えば下がるばかりだ。ドロップアイテム目当てじゃないのにBOSSに挑もうとする酔狂な男はオレくらいだ。……そして、キリトが了承してくれた以上やる」
リュウキはそう言った。
「悪いな……リュウキ」
キリトは、感謝してもし足りない程、だった。
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