第九章 双月の舞踏会
第三話 一時の別れ
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確かめるようにティファニアに向き直ると、その凶悪なまでの大きさを誇る胸を睨めつけ。
「「「……もう少しお仕置きしようかしら」」」
「ふむ、次は抜き身でやってみましょうか」
「椅子は結構いい武器だったね。次はテーブルでイってみようかな?」
「も、もう止めてぇ! これ以上は流石に無理よぉ!」
手にそれぞれの獲物を持って再度士郎ににじり寄り出すルイズたちを見て、ティファニアは真っ青な顔を両手で押さえながら絶叫を上げた。
士郎のお仕置きが執行されそうになってから一時間程過ぎた今では、テーブルを囲んでルイズたちが昼食を食べ終え食後のティータイムと洒落こんでいた。
テーブルの中心に置かれた皿の上には、これでもかというほど積み上げられたクッキーの山と椅子に座るルイズたちの前に置かれた紅茶が入ったティーカップ。
クッキーの山とお茶の用意は勿論気絶していた士郎を強制的に起こして作らせたものであった。
朗らかに笑い合いお茶を楽しむルイズたちの後ろでは、ぼろぼろの士郎が甲斐甲斐しく世話をしている。
「―――あはは、もう冗談だったって言ってるでしょ」
「そうは見えませんでしたよ」
打撲に擦過、切り傷擦り傷刺し傷打撲火傷……全身これ傷といった様子で所々包帯を巻いた姿で給仕を勤めていた士郎が、ティファニアの言葉にうんうんと頷く。
「そう言えば今朝から隊長さんを見かけないけど、シロウ知ってる?」
手に持ったティーカップを軽く揺らし、中の紅茶が揺れる姿を眺めていたキュルケがポツリと呟くと、士郎が応えるよりも先にパクパクとお茶請けのクッキーを食べていたセイバーが顔を上げた。
「っん? アニエスですか? 彼女なら朝早く森に向かっているのを見ましたが」
「森? って言うことはまだ戻って来てないってことかしら」
そう呟いて、キュルケがティーカップの縁に唇をつけた時。
「休暇は終わりだっ! 各自帰る準備をしろっ!」
バンっ! とドアが勢いよく開くと同時に帰還を命じながらアニエスが入ってきた。
アニエスはそのままルイズたちが囲むテーブルに近寄ると、バンっとテーブルの上に勢いよく手を置きぐるりと辺りを見回す。
「すまないが予定が変わった、直ぐに準備をしてくれ」
「予定が変わったって言うけど、何かあったの?」
ティーカップから口を離したキュルケが訝しげな視線を向けると、アニエスは懐から一枚の手紙を取り出し、それをテーブルの前に広げた。テーブルを囲むルイズたちの視線が一斉に広げられた手紙に向かう。
「何よもうっ。突然予定がか、わ……」
テーブルの上に広げられた手紙に顔を寄せたルイズの眉間には、ティータイムを邪魔をされ皺が寄っていたが、手紙に記
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