第九章 双月の舞踏会
第三話 一時の別れ
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「で、説明してもらえるんでしょうね」
ルイズの魔法によって士郎がお仕置きされた際の余波により帽子を吹き飛ばされ、ティファニアが隠していたエルフの血を受け継ぐ証拠である長い耳を見られたことから、半ばパニックになりかけたルイズたちを何とか落ち着かせた士郎は、一旦ティファニアの家に戻ることにした。
そして今、ティファニアの家の居間には、テーブルを挟み向かい合い座るルイズたちと士郎たちの姿があった。
士郎の左には、ルイズから受けた傷を治療するティファニアが、右にはテーブルに頬杖をして眉根に皺を寄せ難しい顔をするロングビルと黙り込むセイバーの姿が。そして、甲斐甲斐しくティファニアの治療を受ける士郎の前には、腕を組み不機嫌さを隠そうともしないルイズを挟み、同じく腕を組み眉根を釣り上げるキュルケとテーブルを指先でコンコンと叩く苛立ちを露わにするシエスタの姿があった。
「説明と言っても……な」
ルイズたちの視線から逃げるように、視線を彷徨わせた士郎だったが、唇を噛み締めながら治療を続けるティファニアに視線が合うと、ふっと笑みを浮かべその頭にポンッと軽く手を置き顔を上げた。
「そうだな、ま、バレてしまったからには説明しなければルイズたちも不安だろうしな。じゃ、テファ……説明頼む」
「え……ええッ!? ちょ、え、ま、待ってシロウっ、いきなり説明って言われても……」
頭に手を置かれ顔を上げたティファニアは、ニッコリと笑い掛けて口にした士郎の言葉に手に持った包帯を放り投げ「あうあう」と慌て始めた。
「大丈夫だ。ルイズたちは話せばテファがハーフエルフだからといって、むやみに怖がったりはしないさ」
「でも、こんなに睨んで……」
士郎の言葉を否定するように顔を振るティファニアに士郎は笑顔を浮かべた。
「はは……大丈夫さ」
「でも」
「ルイズたちが睨んでいるのは―――」
士郎は引きつった笑みをティファニアに向けながら横目で睨みつけてくるルイズたちに視線を向けると、そこには何時の間にか深イイ笑みを浮かべるルイズたちの姿があった。
「―――俺にだからな」
「ねぇシロウ。さっきから説明をしてって言ってるのに、何無視してイチャイチャしてるの?」
「そうよ、いい加減説明してよね」
「そうです、説明してください」
ニッゴリとくぐもった音が出そうな程深い笑みを浮かべながら、ルイズたちは額に血管を浮かせた顔をずいっと近づかせ。
「「「テファとの関係を」」」
「……ほらな」
ガクリと顔を突っ伏した士郎が涙混じりの声を上げた。
ティファニアはそんな士郎とルイズたちを交互に見返すと、一瞬小さな笑みを口元に浮かべ覚悟を決めるように小さく頷く。
「そ
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