彼の居場所
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ほうがいいって」
……なんて間違った解釈の仕方なんだろう。
「その付き合うは水瀬君の書くライトノベルを書く事に付き合うって意味だったんだけど…ええと、つまりは、面倒事に付き合うって意味で言ったの」
はぁ、今水瀬君が教室に居なくてよかった。HR後に水瀬君は続きを書くため図書室に向かっていた。これを聞かれたらもう自作のライトノベルを読ませてくれなくなるだろう。
「……そっかぁごめんね、変な事言って……」
そうして安心したように彼女は一息ついた。危ない危ない、根も葉もない噂が流れる所だった。
チッ(クラスメイトが一斉に舌打ちした音)
「お前達は一体、僕に何を望んでいるんだぁ!」
いじめだ!クラス単位でのいじめだぁ!助けて桜先生!
学生カバンを持ってダッシュで教室を出ようとしたら何故か助けを求めようとしていた桜先生が立っていた。
あ、これ避けれね。
ゴスッ
鈍い音がした、発生源は桜先生の腹部だった。もうダッシュしていた僕は勢いをそのままダイレクトに桜先生へと叩き込んでいた。
「…おう、木崎……元気いいなあ…ちょっと、職員室までこいや…ぐふっ」
そういって先生は悶絶した。
もう…嫌だ……
その後、お縄を頂戴した僕は職員室に強制連行され、くどくどと三十分間説教を受け、さらに反省文五枚を言い渡された。普段温厚な桜先生があんなに怒るなんて、僕、何か悪い事したかなぁ?
思いっきりしてます。とツッコミを入れてくれる人が誰もいない教室で僕は溜息をついた。
「あれ?木崎、何でいるの?」
ああん?誰だ、放課後にわざわざ教室に来るアホは…って安土山さん?
「どうしたの安土山さん」
あからさまに顔をしかめて彼女は面倒臭そうに僕を見る。あんなに不機嫌な原因は間違いなく昼休みの事だろうけど、そんなに僕は悪い事をしたとは思えない。とりあえず適当に流して刺激しないようにしよう。
「先に質問してるのはこっち、先に答えなさい」
ちっ、言いたくないのに。
「水瀬君の書いたライトノベルの添削してる」
言いたくないから適当に嘘をついた。
皆もよくあるよね言いたくない事を隠すために付く嘘って。
「あんた達って仲いいのか悪いのか分かんないわね」
上手く誤魔化せたようだった。
「別に仲がいいわけじゃないよ、興味本位で話しかけたら、いつの間にか付き合わされちゃってるだけさ」
実際後悔はしている。
「それでもホントに嫌なら付き合わないでしょ、やっぱり木崎ってあれなの……ええとホモ?」
まだそのネタを引っ張るのか、ん?いや待てよ。
「何で、安土山さんがその事知ってるの?」
……ん、あれ?
自分で言った言葉に違和感を感じた。そして安土山さんが目を見開いて…マジ……なの?…という呟
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