第24話 住めば都も二つあると悩みの種
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付けには多少こだわってはいるが、それとはまた違った華やかさがこの食事には見られた。
「さ、なのはも遠慮しないで食べましょう」
「う、うん。いただきます」
半ばぎこちない反応をしながらも、なのはは頷く。未だ此処の生活になれてない様子が見て取れる。
何時もなら桃子の言う台詞は本来なのはが皆に言う台詞でもあるのも相乗してのことだろう。
「あはは、まだ何か堅い感じだね」
「仕方ないさ。例え此処が生まれた家だったって言っても今まで全く別の世界、別の場所、別の家で育ってきたんだ。今のなのはにとっては俺達も他人みたいなものなんだからさ」
既にテーブルに座っていた美由紀が苦笑いを浮かべ、それを恭也が戒める。
「ご、御免なさい。すぐに慣れようって思ったんですけど、やっぱりまだ慣れなくて……」
「気にしなくて良いよ。始めの内はそんな物さ。ゆっくり慣らして行けば良いさ」
士郎のその言葉を聞き、なのはは安堵した。
安心したせいか、突如誰かのお腹が鳴り出した。
鳴らした本人の性格を出しているのか少し控えめな音量だった。
高町家一同の視線が一箇所に向けられる
その視線の先には、顔を真っ赤にして俯くなのはの姿があった。
緊張が解れた途端にこれだ。恥ずかしくてなのはの顔はトマトの様に真っ赤になってしまった。
「あっはっはっはっ! さて、お腹も良い感じに空いてきたみたいだし、ご飯にしようか」
「あうぅ」
恥ずかしいと思いながらも、お腹は正直ならしく、その後ひっきりなしに鳴り続けてしまった。
その為、終始今日の朝食は、皆の笑い声が絶えない食事となったのであった。
***
部屋には薬品臭が漂う。その匂いは、余り好みの人は多くないだろう。
此処はアースラ内に儲けられた医務室。その一角にて、銀時と新八は先ほど目を覚ましたと言うクロノの見舞いに来ていた。
既に見舞いを粗方終えたのだろう。二人の他には誰も居なかった。
どうやら自分達で最後の見舞いのようだ。
「思ってたよりも元気そうじゃねぇか。安心したよ」
「すみません、僕がもう少し周囲に気を配っていればあんな事にはならなかったんですが」
執務官らしい発言であった。自分が生死の境を彷徨っていたと言うのに職務に忠実な事を平気で言える。
とても十代の言葉とは思えなかった。何処か無理しているような、そんな感じがしたのだ。
「素直に生きてた事を喜べや。聞いた話によりゃ、お前数日間意識不明の重体だったんだろ?」
「ですが、あの時の雷撃を避けていれば、彼女を無事に保護できた筈なんです」
言葉を述べながら、クロノは自らの両の拳を固く握り締めた。
彼なりに後悔しているのだろう。何
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