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駄目親父としっかり娘の珍道中
第24話 住めば都も二つあると悩みの種
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のかな?」

 疑問に感じたなのはは部屋の隅に取り付けられたカーテンを開いた。其処に居たのはフェイトだった。
 フェイトが窓を数回叩いたのだ。

「フェイトちゃん!」

 即座に窓を開き、彼女を中に招き入れる。フェイトの姿は普段の姿ではなく、黒いバリアジャケットを纏っていた。
 
「どうしたの? こんな時間に」
「なのは、お願いがあって来たの」
「お願い?」

 疑問に首を傾げるなのは。そんななのはに、フェイトは決意を胸に目を強めて彼女を見た。
 そして、思い切って口を開いた。

「なのは、私と一緒に来て」
「行くって、何処へ?」
「母さんの待っている時の庭園へ……母さんが、なのはに会いたいって言ってるの」
「フェイトちゃんのお母さんが?」

 話をし終わった後、フェイトは少し不安に思っていた。実際なのはは一度母プレシアに会っているのだ。
 だが、その出会いは決して良い出会いとは言えなかった。散々虐待するプレシアをとめたなのはに対し、ジュエルシードを取り出そうと苦しめた経験がある。
 もしかしたら嫌だと言って断られるかも知れない。
 もしそうなったら、本当はしたくはないのだが実力行使に出るのも辞さないつもりだった。

「良いよ」
「え?」
「フェイトちゃんのお母さんに会うのって初めてなんだよねぇ。どんな人なんだろうね?」
(お、覚えてない! 何で?)

 なのはの発言にフェイトは疑念を感じていた。なのははプレシアとの経緯を全く覚えていないのだ。
 だが、それはフェイトにとっては好都合だった。これで無理やりなのはを連れて行く必要がなくなったのだから。

「有り難う、なのは。それじゃ、行こう」
「あ、ちょっと待って!」

 急ごうとするフェイトを其処に待たせ、なのはは机に向う。
 引き出しから筆と紙を取り出し、何かを書き始めていた。

「何してるの?」
「置手紙書いてるんだ。突然居なくなっちゃうと皆心配しちゃうかも知れないからね」

 置手紙を書き終わり、その場に筆を置くと、今度こそフェイトの前になのはは歩み寄ってきた。

「良いよ。さ、行こう」
「うん。有り難うね、なのは」

 嬉しそうにフェイトは頷き、なのはの手を握る。
 それから、二人は夜の空へと飛び上がり出した。
 
「うわぁ、月があんなに綺麗に見える!」
「今夜は満月だね」

 二人は空を飛びながら、目の前に映る大きな満月を見ていた。とても綺麗で、そして、とても大きな満月であった。
 フェイトの胸の内には期待で一杯だった。これからはなのはとずっと一緒に居られる。
 自分と、アルフと、母と、なのは。
 これからは四人で楽しく暮らしていくことが出来る。
 そう思っていたのだ。
 プレシアの
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