プロローグ ゲルググ量産計画
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ているわけじゃないんだよな。シンの家族がオーブで死ぬことは知ってたけど、どう死ぬのかまでは忘れてたし。フリーダムと三馬鹿めェ……。
とはいえそれ以来、同じ脛に傷持つもの同士って感じで、お互いに仲良くしてはいる。身贔屓みたいで俺が言っても説得力に欠けるがシンは自分に真っ直ぐなだけで、悪い奴じゃないんだよと思ってる。
「まあ、シンも訓練で忙しいだろうし聞くのはメールでも構わないか」
そう思いながら俺は自分の開発部まで戻っていった。
◇
先程まで私にトライアル参加の許可を取りに来た男の情報を見る。その情報は中々に興味深い。Seedの適性こそないもののエースパイロットクラスの実力に、分野こそ違えど同じ技術者として舌を巻くほどの高い技術力。そして何より―――
「新型MSゲルググか―――」
理論値のみの資料ではあるものの、使いやすさや整備性の高い機体である上にスペックに関してはトライアルに参加するザクやグフ、ドムは愚か、一部のスペックではセカンドシリーズの機体と同等以上。
「クラウ・ハーケン……実に興味深いな、君という存在は」
コーディネーターとしの遺伝子の才能において、彼に開発系統の才能はないと見ていたのだがな。とはいえ、彼のような存在は私の計画にとっても有用だ。貴重な駒として働いてもらうとしよう。
◇
その後も、開発資金に苦労したり、前世の技術を出し過ぎて慌てて修正したり、俺自身が乗ったり、シンに乗ってもらってテストしてみたりと、大忙しで色々と難航もあったものの何とか、トライアルまで残すところあと少しって所でようやく完成した。
「サンキュー、シン。お前がいなけりゃ確実にアウトだったわ」
「何言ってんだよ。クラウの実力だろ。ま、俺も機体に乗る機会を得たわけだし、こっちはこっちで利用させてもらったよ」
「まーた、ツンデレなこと言って」
こう、シンは子供っぽい所があるせいかからかい易くてしょうがないと思うわけよ。
「そ、そんなんじゃねえよ」
「ハイハイ、そう言うことにしておきますよ。ついでに聞くけどレイってやつには勝てるようになったか?」
「む、次は勝つさ。あいつには絶対負けない」
次、ということはまた負けたな。まあ、全成績がトップクラスのレイにそうそう勝てるとは思わないけどシンには勝ってほしい所だよな。
「まあ、明日からトライアルだ。自信もってこいつを出してくるよ」
「一応期待はしといてやるよ」
そうやって自信をもって俺とシンは互いにゲルググがトライアルに残ることを確信しながら笑い合っていた。
◇
新型MSゲルググ―――トライアルの際に優秀な成績をたたき出す。その性能の高さとコストパフ
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