第43話 その後と準備は平和なようです
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リングとかその他もろもろを回って、
麻帆良に帰ってきたのは12時間近くだった。
「神楽坂、どうするコレ?お前がおぶってくか?」
「ああ〜〜……。ハイ、私が寮まで連れて行きます。」
愁磨先生に顎で指されたのは、おぶられたままのネギ。
子供に今日の日程はきつかったみたいで、途中で寝ちゃったの。・・・ずっとおぶってたの、愁磨先生だけど。
「よっしょっと。じゃあ、おやすみなさい先生。また明日。」
「ああ、また明日。お前はバイトしてるし、寝坊は無いだろうな。」
なんだろう・・・・?今日の愁磨先生、なんか違和感ある。悲しそうって言うか、妙に優しいって言うか。
「ああ、そうだそうだ忘れてた。神楽坂。」
「はい?」
「ほい、やるよ。」
と、私のタートルネックの中になんか箱を入れて来た。
「ぅひゃああああああ!?な、なんですか!?」
「何って、プレゼント。その通り両手塞がってるしな。」
「あ、そうですか。っじゃなくて!!えと、あの……。ありがとうございます。」
「うむ、それじゃな。」
それだけ言って、踵を返し暗い森に歩いて行く。
・・・・・なんか、ヤダ。このまま帰したら、なんか、ヤダ。
「あの、愁磨先生!!なんでですか!?」
「―――それはつまり、ネギの敵っぽい俺が、ネギの味方兼保護者のお前の誕生日を祝った挙句、
プレゼントまで寄越すとは。何を企んでやがる……って意味か?」
「え、ええっと。そこまでアレじゃないけど……。」
「フフッ、お前は、なんて言うか……。アレだよなぁ。」
「わっ!?」
何故か、撫でられる・・・・・。見上げると、今まで見た事無い――――
いや、私に向けられた事のない優しい顔の愁磨先生が。
この顔、あれだ。アリアさんとかエヴァちゃん撫でてる時の顔に似てる。
「あ、あの……///」
「俺は……俺達はな、一回死んだんだ。それで、同じ時に生き返ったんだ。
矛盾してるけど、いくら家族でも、これだけはダメなんだ。
だから、俺達を祝う奴はいない。その代わり、俺達は祝ってやるんだよ。」
・・・・・何の話か分かんないけど。いや、全然分かんないからどうしようもないんだけど・・・。
「じゃあな、アスナ。た―――
ゴォォォォォォォォォォン ゴォォォォォォォォォォォォン
「え、なんて言いました?」
丁度よく、12時の鐘が鳴って聞こえなかった。それに今、明日菜――アスナ?って。
「おやすみ。」
「え、あ、おやすみ……なさい。」
結局、なんて言ったかは分からなかった。
ホンット
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