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駄目親父としっかり娘の珍道中
第20話 親も子も結局心知らず
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えず……改めて自己紹介するね。僕はユーノ・スクライア。スクライアは部族名だから、ユーノが名前だよ」
「なのはだよ。宜しくね」

 お互い改めて自己紹介を済ませ、互いに握手を交わそうとする。が、二人の手が触れた瞬間、激しい電流がユーノの体を迸った。そして、その電流が彼の体から現れるまでに5秒と掛からなかったのである。

「あばばばばばばばばああああああああああ!」

 素っ頓狂な声をあげながら金髪少年は髪を逆立てて直立したまま動かなくなってしまった。その光景に誰もが驚きを隠せなかったりする。

「うわぁ、ユーノ君が固まっちゃった」
「おいおい、幾ら家の娘がプリチーだからってそれは過剰反応過ぎるだろうが。空気を読めよこのKY坊やが」

 重症を負ってしまったにも関わらず、無慈悲で無情な言葉でそれを片付ける銀時。と、言うか……今回は貴方がKYなのですね。
 激しく合掌致します。

「あのぉ、念の為にその子医務室に連れて行きましょうか?」
「あぁ、気にすんな。どうせこいつ多分ゴキブリ並の生命力がありそうだからこれ位ならすぐに回復してくるだろうしよ」

 とことん容赦ない銀さんなのであった。




     ***




 様々な珍道中がありながらも、とりあえず一同は銀時の婿養……基、執務官であるクロノに連れられてある部屋へと辿り付いた。部屋に入るなりに一同の目に映ったのは、咲き誇る桜から舞い散る花びらに和傘、獅子舞に盆栽などと、和の文化が見られるのだが、ぶっちゃけ分かる範囲の物を適当に持って来た感が漂う感じがしないでもない部屋であった。
 そして、床一面に敷かれた赤い敷物の上で優雅に茶を立てる一人の女性が居た。
 ライトグリーンの長い髪を後ろに束ね上げ、紺色のジャケットと白いタイトズボンで身を固めた綺麗な顔立ちの女性だった。

「よくぞいらっしゃいました。みすぼらしい部屋ですけどどうぞくつろいで下さい」
「嫌、これって明らかに僕達江戸の文化を取り入れてるらしいですけど、明らかに誤解してますよね?」

 即座にツッコミを入れる新八。流石は万事屋のフォロー人である。つっこまずには居られない心境に立たされたのだろう。それを聞き、女性は多少苦笑いを浮かべるに至る。

「御免なさい。急ぎ支度をしたんですけど、生憎貴方達の世界の文化が分からなくて、気に障ったんだったら貴方達なりに部屋を飾っても構いませんよ」
「マジですか? そんじゃこっちの壁に俺の女神でもある結野アナの等身大ポスターを貼ってぇ……」

 図々しく横壁に何処から持って来たのかお天気キャスターの結野アナの等身大ポスターを貼ろうとする銀時。だが、其処に待ったを掛ける奴が居た。

「ちょっとちょっと、それは不味いでしょうが銀さん!」
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