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駄目親父としっかり娘の珍道中
第18話 何事にもアフターケアーは大事
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 声のトーンが下がり、そっと新八の肩に銀時は手を乗せながらそう言った。明らかな変化を感じ取った新八が銀時を見る。其処にはさっきまでのダルダルだった銀時は何処にも居らず、その目も何時しか輝きを取り戻していた。

「ぎ、銀さん!」
「やれやれ、人生の半分も生きてないアイドルオタクに教えられるなんざぁ、俺もまだまだ若造だぜ。嫌、シャバ造だなこりゃ。あんがとよ新八。お前のその一言で何か吹っ切れたみたいだぜ」

 普段以上にすっきりした顔の銀時が其処にあった。空は茜色に染まりだし、今にも夜へと移行しようとしているのに、何故か銀時を見ているとその背景が青空に見えてしまっていた。
 これは目の錯覚なのだろう。その筈なのだ。だが、それでも新八には見えた。
 晴れ渡る青い空、その空の上でさんさんと輝く太陽。そして、それに照らされて輝く銀髪の天然パーマの侍。
 今、銀時は此処に来て初めて輝いたと言えるのだ。その輝きを前に、新八や神楽、そしてユーノらもまた元気を取り戻していた。

「やる気を出してくれだんですねぇ? 銀さん!」
「あたぼうよぉ! 何時までもだらけてられっかってんだ! 銀さんはなぁ、基本だらけてるのが仕事だが、やる時ぁやる男なんだよぉ!」
「それでこそ銀さんです! それでこそ、僕が頼りにしてた銀さんなんですよ!」

 戻った! 輝いている銀時が戻って来た。新八は何よりも嬉しかった。異世界に飛ばされ、連絡する手段を失いほぼ孤立状態に陥り、更には強力な魔導師が敵対して苦戦の毎日。そんな毎日辛い日々の中で俺掛けていた心が、今音を立てて元通りになっていくのが感じ取れたのだ。

「まさか、こんな所で会うなんてね」
「あん!?」

 声がした。聞き覚えのある、そして忘れようにも忘れられない声だった。その声のする方へと、銀時達は視線を動かした。
 それは、丁度上の方にある木々の天辺。其処の頂きにてたちながらこちらを見下ろしているのは漆黒のマントを羽織り同様に黒いバリアジャケットを身に纏ったフェイトであった。
 そして、その隣にはこれまたアルフがついていると言う何時もながらの図式であった。

「おぉ、良い所に来たじゃねぇか。丁度俺達も今からお前等に会おうと思ってた所だったんだぜぇ」
「そう、私としてはもう二度と貴方とは会いたくなかったんだけどね」
「上等じゃねぇか! 降りて来いや糞ガキ! その曲がり切った根性叩き直してやっからよぉ!」
「私以上に捻じ曲がった貴方なんかに直せるとは思えないけどね」
「んだとぉ!」

 互いに売り言葉に買い言葉を連呼し続けていく。そうしている内に互いのボルテージが徐々に向上していく。やがては、お互い我慢の限界に差し掛かり……

「ざけんなこの糞ガキィ! 今すぐケリつけたらぁ!」
「望む所よ
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