第18話 何事にもアフターケアーは大事
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さんに酷い目に遭わされてるんでしょ?」
「ううん、そんな事ないよ。確かにお父さんは金銭感覚は絶望的だし、稼いだお金は皆ギャンブルや甘い物につぎ込んじゃうし、普段は一日中だらけっぱなしだし、本当にどうしようもない駄目人間だけど、私にとっては大事なたった一人のお父さんなんだ」
フェイトは改めて実感した。自分の中で映っていた銀時と、なのはが語る銀時が全く違うと言う事に。余りにも違い過ぎる銀時の父親像。
フェイトの中での銀時は暴虐の限りを尽くす最悪のDV親父だと思っていた。
しかし、なのはが語る銀時、それは多少情けない部分はあるけれど、それでも優しいたった一人の父親だったのだ。全ては、フェイトの勘違いの末に起こった空しい戦いだったのだ。
だが、最早今更退くに退けない。今のフェイトにとって、なのはは代え難い必要不可欠な存在となってしまった。なのはなしではもうフェイト自身やっていけない程に。
全てが勘違いから始まった戦いだったとしても関係ない。例え、そのせいでなのはを傷つける結果になったとしても、フェイトは銀時達と戦う事を止めはしないだろう。
「フェイトちゃん。一度お父さんとお話しようよ。きっと分かり合える筈だよ」
「御免、それは出来ない……君にとってあの男は優しい父親かも知れないけど、私にとって、あの男は敵だから」
「そんな……」
結局、なのはの言い分はフェイトには聞き入れては貰えなかった。なのはにとって、銀時もフェイトも、大事な存在だ。その双方が互いに争いあうのは正直言って見ていられない。
だが、闘う術のないなのはにはどうする事も出来なかった。
「大丈夫、なのはは私が守るから」
「フェイトちゃん」
「だから、だから……ずっと此処に居て。私は、なのはと一緒に居たいから」
なのはの手を握り、フェイトは言った。思いのままの言葉を言い放った。心優しいなのはに、その願いを払い除ける事は出来なかった。
フェイトは大事な友人だし、それに命の恩人でもある。そんな彼女の願いを無碍には出来ない。何とも心苦しい心境となってしまった。
***
「はぁ……一体どうしたら良いんだろう?」
結局、フェイトの説得は失敗に終わった。誤解は解けたものの、徹底抗戦の意思は変わらずなままだった。
その上、フェイトの口から一緒に居たいと言う大胆発言をされてしまってはそれ以上無理な事が言えなくなってしまった。
そして、今なのはは溜息をつきながら、一人近くの公園のベンチに座っている次第なのであった。
どうすれば二人が戦うのを止めてくれるのだろうか?
考えれば考えるほど方法が分からなくなり、結果としてドツボに嵌ってしまったのである。
「もぉう、フェイトちゃんもお父さんと
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