第17話 綺麗な思い出でも他人が持ってると意外とジェラシー
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さい、フェイト!」
「ちが……います! 私は、母さんの為に……でも、それでも! 私は、なのはを助けたいんです! なのはは、私にとって初めて出来た大事な友達なんです! だから、だから……」
ボロボロに傷つきながらも、それでもフェイトは必死に頼み込んだ。しかし、そんなフェイトの願いなど聞き入れる気はプレシアには毛頭なかった。無慈悲に、無情に、無感情にプレシアは鞭をもっていた手を振り上げる。再度フェイトに向い鞭を叩きつけようとした時、足に違和感を感じた。
「ん?」
何かが自分の足を掴んでいる。そんな感覚に気付いたプレシアは足元に視線を映す。
其処には、一人の少女がプレシアの足を掴んでいたのだ。
フェイトとそう変わらない幼い体ながらも、必死にプレシアの足にしがみ付いていたのだ。
「離れなさい。何のつもりなの?」
「な……のは……」
次第に弱っていく体でありながらも、なのははプレシアの足にしがみつき、フェイトを助けようとしていた。その光景を前に、フェイトは只涙を流す事しか出来なかった。
「フェイトと良い、貴方と良い。何故貴方達はそうも私を苛立たせるの?」
足元で掴んでいたなのはの背中をプレシアは力任せに掴み、そのまま面前に持ち上げた。
自分の面前になのはを持ち上げ、その顔を伺う。真っ赤な顔をし、息も荒く、かなり弱っているのが見て取れる。そんな状態だと言うのにフェイトを助ける為にとなのはは体を張って止めに入ったのだ。
それが、プレシアには何よりも苛立ちを感じさせた。
「もう良いわ。フェイト、貴方がやらないのなら私が取り出すわ」
「え? だ、駄目母さん! そんな事したらなのはが……」
「そんな事知らないわ。私が欲しいのはジュエルシードだけ。他に何も要らないわ! まして、こんな小娘の命なんて、私には何の価値もないのよ!」
そう言い放った後、プレシアは自分の腕に魔力を纏わせる。髪の色と同じ色の魔力光を纏った手を大きく広げると、その手をなのはの胸に当てた。
当てた手は音をあげながらなのはの体内へと押し入っていく。その音はとても痛々しく、不気味な音を奏でるのであった。
「あぐ、うああぁぁぁ!」
「お願い母さん! もう止めて! これ以上やったら、本当になのはが死んじゃうからぁ! お願い、殺さないでぇぇぇ!」
泣き喚くフェイトの事など気にする事なく、プレシアは確実になのはの体内に埋まっているジュエルシードを目指した。その手が深く体内へと入っていく度、なのはの体には激痛が走った。
その激痛に対し、なのはは只、叫ぶ事しか出来なかった。弱り切り、抵抗する事の出来ない体では、その叫びすらも弱弱しく聞こえてきた。
「安心しなさい。例え貴方が死んでも、ジュエルシードは有効に使わ
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