第17話 綺麗な思い出でも他人が持ってると意外とジェラシー
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、その子を救う為に私の力を使えと……貴方は何処まで母さんを困らせれば気が済むの?」
「か、母さん!」
震える声でフェイトは言う。そんなフェイトの前で、プレシアは持っていた杖の形状を変えていく。長い杖だったそれは瞬く間に姿形を変え、長い鞭の様な姿へと変貌する。
その鞭が撓り、鋭い一撃がフェイトの右頬に叩きつけられた。
「あづっ!」
痛みに声をあげながら、フェイトは叩かれた方向とは反対方向へと倒れこむ。その際に抱えていたなのはを手放してしまいその場に置き去りとなってしまった。
そんななのはの事など無視しつつ、プレシアは倒れたフェイトの前に歩み寄った。
見上げたフェイトの目に映ったのは、激情に歪む母の顔であった。
「どうやら貴方はまだ躾が足りないようね? これ以上母さんの手を煩わせない為にも、此処でちゃんとしつけておく必要があるわ」
そう言うと、倒れて動けないフェイトの背中に向かい容赦なく、躊躇無く鞭を振るった。
乾いた音と共に纏っていた漆黒のマントは破れ飛び、その中にあった黒いインナースーツも切り裂かれる。
裂かれた箇所からはフェイトの肌が露見し、鞭の軌道と同じ痣が浮かび上がる。そして、フェイトの顔は苦痛の表情に歪んだ。
「お願い……です。どうか、なのはを……助けて――」
「まだそんな事を言うの? 貴方は……」
フェイトの切ない願いを無碍に踏み躙るかの様に、プレシアは何度もフェイトの背中に鞭を叩き付けた。長い鞭が撓り、背中に叩き付けられる度に、部屋中に乾いた音が響き、フェイトの苦痛の声がその後に連なって響いていく。
だが、フェイトの願いは変わらなかった。何度鞭で叩かれようとも、何度罵声を浴びせられようとも、フェイトは必死に願った。
友達を、なのはを、助けて欲しいと……
「いい加減物分りも良くなるだろうと思ったけど……これ程までとはねぇ」
軽く息を整えながら、プレシアは眼下に移るフェイトを見下ろす。彼女が纏っていたマントもインナースーツも、既にズタボロとなっており、傷だらけになったフェイトはまともに立ち上がる事すら出来ない状態となっていた。
それでも、尚もフェイトはプレシアを見上げると、こう言うのであった。
「お願いです……なのはを……なのはを助けて――」
「黙りなさい!」
プレシアの激情は更に増した。声を荒立て、眼下にいるフェイトの顔を蹴り飛ばす。蹴られたフェイトは無造作に転がり、やがて止まる。そして、そんなフェイトに近づき、今度は先ほど以上に力を込めて鞭を叩き込んだ。
「貴方がこうして無駄な時間を費やしている間にも、母さんは困っているのよ! それが何で分からないの? 貴方は母さんが嫌いなの? 母さんよりもあんな子供が大事だと言うの? 答えな
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