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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十三話 芋の皮むき
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、和音が二人の体を抱き留めた瞬間、片方だけ残っていたP-51も煙をぶすぶすと吐いて海へ落ちていった。バルクホルンのMe262に至っては執拗な攻撃に晒されあちこちが損傷してしまっている。到底、自力での飛行は不可能だった。
「……まあ、ユニット以外は無事だな。コイツはすっかり気を失っちまってるけどさ」
「宮藤さんに診てもらいましょう。基地まではわたしが送ります」
「了解。それじゃ頼むよ」
「はい。しっかり掴まっていてください」
すっかり満身創痍となった二人を抱えると、和音はそのまま基地へ帰投していった。
――ロマーニャ基地 医務室
「ん……ここ、は……?」
目が覚めた時、バルクホルンは自分の体がいやに重いことに気がついた。
全身が鉛のように重く、指先一つまともに動かせない。正直、瞼を開けるのさえ億劫だった。
「あ、バルクホルンさん。よかったぁ……」
「気がついたのね、トゥルーデ」
「心配したんだぞ、バルクホルン」
ぼんやりとした視界の中で、見慣れた顔が幾つも自分を覗き込んでいるのが見えた。
そこではじめて、バルクホルンは自分が医務室に寝かされ、部隊の皆が自分の周りを心配そうに取り囲んでいることに気がついた。
「なんだお前たち……そんな顔をして、一体何があったんだ……?」
「トゥルーデ、覚えてないの?」
心配そうに顔を覗き込みながらエーリカが言う。付き合いの長い戦友の言葉にバルクホルンはしばし黙考し、未だ醒めきらない頭の中から記憶を引きずり出す。
「トゥルーデ、あのジェットストライカーで出撃して気絶したんだよ」
「そうだ……わたしは、あのストライカーの試験の途中でネウロイと交戦して、それから、それから……?」
そこから先を、バルクホルンは覚えていない。当然だ。魔法力切れで気絶し、今の今まで眠っていたのだから、記憶などある筈もない。
「――それから、わたしがお前のところに救援に駆けつけて、二人そろって危うく死にかけたってわけさ」
「リベリアン……」
医務室の入り口にもたれていたシャーリーがそう言ってこれまでの経緯を説明する。
一瞬信じられないといった風な表情をしたバルクホルンだったが、大方の事情を呑み込んだのだろう。大きく溜息をついてそのっまベッドに体を預けた。
「すまない……助けられてしまったようだな」
「礼ならわたしじゃなくて沖田に言えよ。わたしたち二人をここまで運んできたのも、ネウロイを倒したのもアイツだ」
「そうか……」
首から上だけを動かして医務室を見渡してみるが、和音の姿はない。
一体どこにいるのだろうかとバルクホルンが訝しんだ時、にわかに廊下の方が騒がしくなった。
「………………?」
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