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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十三話 芋の皮むき
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な、なにをする気だリベリアン!!」
「しっかり掴まってろよ!!」
もはや敗北は避けられぬと悟ったシャーリーの行動は早かった。即座に負けを認めると、いまだ十分に機速を稼げていないバルクホルンを抱きかかえ、ありったけの魔法力をエンジンに注ぎ込む。戦えないと分かったのならば、あとは逃げるしかない。シャーリーはそう判断した。
しかし悲しいかな、いかにP-51が優秀といえども、ウィッチを二人も抱え、うち一人はもはやただの錘でしかなくなったジェットストライカーを履いている。到底逃げ切れるはずがなかった。
「は、はなせ!! わたしの事はいい。お前だけなら助かるだろう!!」
「うるさい!! 黙ってわたしに抱えられてろってんだ!!」
「このままでは二人とも死ぬぞ!!」
「お前を――仲間を見捨てて逃げるなんてできるか!!」
容赦なく飛んでくるネウロイのビームを必死に躱し続けながら、シャーリーは渾身の力を振り絞って基地を目指す。辿り着かなくてもいい。このまま基地に近づけば、きっと援軍が来てくれる。それだけを頼りに、決して後ろを見ることもなく飛び続ける。
しかし、現実はどこまでも冷酷だった。
一瞬奇妙な振動がユニットを震わせ、次の瞬間、シャーリーの右足のユニットがオイルを噴いて停止した。エンジンのオーバーヒート。空戦で決して犯してはいけない致命的なミス。
普段の倍以上の重量を抱え、普段の倍以上の出力を出せばどうなるか――
完全に焼けついたエンジンが奇妙な空回りをして死に、シャーリーの右足から抜け落ちてゆく。
「あ――――」
これは終わったな……
不思議と冷静に、シャーリーは自分の状況を判断できた。ユニットもなく、武器もなく、魔法力すらも限界に近づいて。もはや的以外の何物でもない。今の状態ならば、撃ち落とすことなど赤子を縊るよりも容易いだろう。
「ちくしょおおおおおおお!!」
知らずバルクホルンの体を固く抱きしめながら、シャーリーは吼えた。残るすべての魔法力をつぎ込み、片肺での離脱を試みる。たとえ二度と機体が使えなくなってもいい。今はただ、生き残る事しか考えられなかった。
「――イーグルU FOX1」
視界の端をなにかが凄まじい速さで駆け抜けていった――
そう思った時にはもう、背後に迫ったネウロイは凄まじい爆炎と共に木端微塵に吹き飛ばされていた。
「す、すげぇ……」
まるで槍のように標的へ疾駆し、一撃で粉砕せしめるその威力。
こんな事ができるのは、501部隊でも一人しかいない。
「沖田!!」
「シャーリーさん、バルクホルン大尉、ご無事ですか!?」
F-15で駆けつけた和音は、よろよろと辛うじて飛行を続けるシャーリーに駆け寄る。間一髪
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