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Epic15狂い出す歯車〜The DeviL〜
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気が付けばそこは懐かしき時の庭園だ。らしくない緊張に両拳を握りしめ、フェイトを先頭に城内の廊下を歩く。

「――あの扉の奥、玉座の間に、私の母さん――プレシア・テスタロッサが居る」

「テスタメント。あんま無茶しないでおくれよ。ケンカを売ったり買ったりとか、さ。正直アイツは娘のフェイトにも容赦しない鬼だから。あんたを敵と見なしたらどんな目に遭うか判ったもんじゃないよ」

「アルフ・・・もう」

アルフの暴言をフェイトが窘める。だが私はアルフの味方だ。プレシアは実の娘であるアリシアだけしか見ていないし考えていない。フェイトを人形と蔑み、果てには大っ嫌いとまで言い放った。私は今でもあれを許していない。あの時のことを回想していると「じゃあ開けるね」フェイトに言われ、「お願い」と頷く。扉を開け、私たちは玉座の間へと足を踏み入れる。と、「フェイト」プレシアの声が。

「か、母さん。ただいま帰りました」

「・・・フェイト。部外者を連れて来るなんて。何を考えているの?」

明らかに敵意を向けてくるプレシア。フェイトは「ごめんなさい」と頭を下げて謝ったあと、私のことをプレシアに紹介した。ジュエルシード同盟のこと。回収に協力したこと。グランフェリアの情報を欲しがっていることを。そして説明し終えたフェイトは切り出した。何故私たちに魔法を仕掛けたのか。

「あれは仕方のないことよ。管理局の魔導師に奪われるわけにはいかなかった。正確に範囲を絞り込めなかったことについては母さんに非があるかもしれないわ。でもねフェイト」

プレシアの目に怒りが宿り、フェイトがビクッと怯えた。

「あなたとアルフが管理局員のバインドに引っかからなければ、巻き込まれることはなかった。母さんの言っていること、間違っているかしら」

「それは・・・」

確かにそれもある。だが、お前の性格からして仕置きの意が大きかったんだろ。怯えるフェイトを庇うかのようにプレシアとの間に立ったアルフ。私はそのさらに前に立つ。

「その件に関してはもうどうでもいいです。あなたがそう言うのならそうなんでしょう」

敵味方関係なしに魔法を撃ったことは本当にどうでもいい。もう済んだことだ。

「今の私とフェイト、アルフに必要なのはジュエルシード同盟においての内容です。受け入れてくれるか否か、それだけを教えて下さい」

問題はこの全てだ。プレシアの視線がフェイト達から私へと移る。フェイトへ対する怒りや憎しみといった負の感情は薄らいでおり、その代わり見下し感が生まれていた。

「そう。同盟、ね。・・・テスタメント、だったかしら。我が娘フェイトと、その使い魔アルフへの協力、感謝するわ。それでなのだけど、同盟における分配数についてちょっと話がしたいわ。時間、いただけるかしら
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