暁 〜小説投稿サイト〜
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「・・・っ!(テスタメント・・・!)」
一番奥。そこにはプレシアとグランフェリア、そして天井から伸びる魔力のロープで両手首を縛られて吊られているテスタメントが居た。フェイト以上に酷い有様だった。両肩に両太腿、腹からも出血。遠目でも判る。グランフェリアの槍で貫かれたんだ。綺麗な紅い髪も血で濡れてボサボサだ。
(アイツら・・・!)
あのままじゃ本当にテスタメントが死んじまうよ。グランフェリアがテスタメントに槍の穂先を向けた。穂先が向いてるのは心臓。完全に殺す気だ。奇襲しようかって思ってたけど、そんなこと言ってられないね。
「プレシア! グランフェリア!」
――フォトンランサー・マルチショット――
あたしに意識を向けさせて、すぐにフォトンランサー6発を一斉発射。それと一緒に狼形態に戻ってダッシュ。
――エクスディフェンダー――
プレシアはバリアを張って、グランフェリアは素手で握りつぶして対処。そんなに期待しちゃいなかったけどさ。もうちょっと苦労して防いでもらいたかったね。テスタメントの側に辿り着き、人型に戻ると同時、グランフェリアに蹴りを入れる。
槍で防御されたけど、「おらぁぁぁぁぁぁぁッ!!」その防御ごとグランフェリアを蹴り飛ばす。次はプレシアだ。本音を言えばここで潰してやりたいけど、テスタメントを逃がすのが先だ。
「バリア・・・ブレイクぅぅーーーーッ!!」
防御魔法を破壊する魔法、バリアブレイクを乗せた連続パンチ。時間を掛けりゃ破れるけど、今はテスタメントを助けないとね。最後の1発を叩き込んですぐ反転。今度はバインドブレイクを両手に乗せて、テスタメントを拘束してるバインドに手を掛ける。
「ごぼっ・・・アル・・フ・・」
「ちょっと待ってな! 今すぐ助けてやるから!」
血を吐き出しながらあたしの名を呼ぶテスタメント。意識はあるようだね。ダメージの度合いから言って無い方が良い気もするけどさ。とにかくバインドを引き千切る。倒れ込みそうになるテスタメントを「おっと」抱き止める。
さっきも思ったけどさ、コイツ、フェイトよりちょっと背が高いけど、やっぱ子供だね。軽いよ。いや、血を失いすぎて軽いのかもしんないね。急いで治療しないと失血死しちまうよ。
「アルフ。あなた・・・!」
「プレシア。言ってやりたいこととかメチャクチャ有るけど、今はテスタメントを――」
「アルフ!」
「へ・・・?」
どこにそんな元気があるのか判らないってくらいに力強くドンッと数mほど突き飛ばされた。せっかく助けたのにこの仕打ち。文句を言ってやろうかと思ったんだけど、「あんた・・・!」あたしを突き飛ばした理由を見た。テスタメントの左胸から突き出ている血に塗れた黄金の槍の穂先。もしあのままアイツを
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