狂気VS死神
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「ゴドフリーさんよぉ、馬鹿だ馬鹿だと思っていたがあんたは筋金入りの筋肉脳味噌だなぁ!!」
クラディールの甲高い声が荒野に響く。
「あんたにも色々言ってやりたいことはあるけどなぁ……オードブルで腹いっぱいになっちまっても困るしよぉ……」
そう言いながら、腰に携えた両手剣を抜く。痩せた体を精一杯反らせ、大きく振りかぶる。そしてその両手剣は容赦なくゴドフリーに振り下ろされる。
「ま、待てクラディール!お前……何を……何を言ってるんだ……?く……訓練じゃないのか……?」
「うるせぇ。いいからもう死ねや」
そう吐き捨てて両手剣を無造作に振り下ろす。鈍い音が響き、ゴドフリーのHPバーが大きく減少する。そしてようやく現状の深刻さに気付いたゴドフリーは、悲鳴を上げるが遅すぎる。二度、三度、振り下ろされ、HPをどんどん削っていく。危険域に突入するとクラディールの動きが止まる。殺すまではさすがにしないのかと思ったのも束の間。両手剣を逆手に握ってそのままゴドフリーの体に突き立てる。HPがじわじわと減少していく。
「ぐあああああ!!」
「ヒャハアアアアア!!」
一際大きな叫びと被さるようにクラディールも奇声を上げる。剣先がどんどんゴドフリーの体内に食い込み続ける。そして、両手剣が貫通すると同時にHPがゼロになる。そして、ガラスの割れるような音とともにゴドフリーの体はポリゴン片へとなり消えた。クラディールはゴドフリーを刺していた両手剣地面から抜き、もう一人の団員のほうを向く。
「ヒッ!!ヒィッ!!」
悲鳴を上げながらもがき続ける。そこに奇妙な足取りでクラディールが近づいていく。
「……お前にゃ何の恨みもねえけどな……俺のシナリオだと生存者は俺一人なんだよな……」
ぼそぼそ呟きながら剣をまた振りかぶり、無造作に振り下ろす。
「ヒィィィィッ!!」
「いいか〜?俺たちのパーティーはァー」
団員の悲鳴を無視して喋りながら剣を打ち下ろす。
「荒野で犯罪者の大群に襲われぇー」
もう一度。
「勇戦空しく四人死亡ォー」
さらに、もう一度。
「俺一人になったものの見事犯罪者を撃退して生還しましたァー」
そう言い終えたと同時に団員のHPが消滅してポリゴン片へと変わる
その中で恍惚な表情で体を痙攣させていた。狂ってやがる。クラディールはとうとう視線をこちらに向けた
その顔は抑えようのない歓喜の色が張り付いている。大剣を引きずりながらゆっくりと近づいてきた。
「よォ」
仰向けに倒れているキリトと俺の横まで歩きながら、ささやくような声で言う。
「おめぇらみたいなガキ二人のためによぉ、関係ない奴を二人も殺しちまったよ」
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