1st season
prologue night
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1999年、関東のとある大都市において、違法な公道レースが頻繁に行われていた。人々は熱を求め、夜に狂う。かといってそこで勝ち上がった者に何かが与えられるわけではない。いや、むしろ勝者と敗者など存在しなかったのかも知れない。あるのは、ただ残るものと降りるもの。それは、その世界が生まれたときからの、暗黙の了解ともいえるものだった。
時は過ぎ、2017年。当時走っていた者たちのほとんどが姿を消し、生き字引となった。それを引き継いで走るもの、新たに加わったものもいる。だが現代において当時と違うのは、自動車産業や各地のモータースポーツが生き残りをかけて様々なキャンペーンを打ったのもあるが、首都高速が新たに別ルートの交通ルートが出来上がったことにより、利用者が激減したことがあげられるだろう。それにより、密かに進められてきたとある大企業による全道路の占有が行われた。その結果生まれたのが、その大企業によって温めれれてきた「首都高サーキット化計画」というもの。読んで字のごとく、老朽化した首都高速道路全域の新規開通を政府に要請、開通とほぼ同時に「ボーイズレーサー育成のためのサーキット」として解放したことがあげられるだろう。
ただし、これには当然地元住民や各輸送業者など、多方面からの反発もあった。そのため、首都高速道路がサーキットとして開通されるのは、夜21時から明け方5時までという決まりの元行われることになる。使える時間は短いものの、元々首都圏を結ぶ道路であったためにアクセスが悪いはずもなく、それは即ち集客力に繋がる。その結果、自動車産業が再生するきっかけとなった事項には上げられるであろう。また、首都高速道路はその特性上、様々なチューニングを楽しめるサーキットであるため、海外製の自動車の敷居を下げることにも成功。自動車輸入業も再生を迎えることとなった。
現在の首都高サーキットにおいては、あちこちから人が集まってくるために様々な勢力が渦巻いている。様々なボーイズレーサー育成チーム、各チューニングショップ、一人でただ走る者、雰囲気組など、数え上げればキリがない。
その中でも今一番メンバーが多く、勢いが強いチームがある。峠出身、サーキット出身、ゼロヨン出身者など、様々な分野から人を集め、大規模な交流会を定期的に行っている育成チーム「Fine Racing」だ。チームリーダーは「流離いの天使」という銀のCL7使い。速さを求めるというよりは、スポーツドライビングを安全に楽しむことを教えるということが名目で、まずは彼らのところから、という若者は多い。
しかしそれゆえに、「本物」と呼ばれる部類のドライバーのレベルまでには届かない。彼らの中には、そのレベルに達した人間がほとんどいないためだ。そういった人間たちは基本的に群れるのを好まず、個人個人でストイ
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