マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
剣士の選択
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すまない。…………少し、話を聞いてくれないか?」
「何だよ?珍しい」
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Sideアスナ
「……あのね、ボクたち、この層のボスモンスターを倒したいんだ」
「は……はあ!?」
意表を突くその言葉に思わずアスナは素っ頓狂な声を上げてしまった。
連れてこられた層は最前線27層主住区《ロンバール》。そこにあるごく普通の宿屋に《絶剣》ユウキの仲間達はいた。
「ボスモンスターって、迷宮区の一番奥にいるやつ……?時間湧きのネームドモブとかじゃなくて?」
「うん、そう。1回しか倒せない、アレ」
「うーん……そっか、ボスかぁー」
話を聞くところには、もう少しで各々が忙しくなり、皆で一緒に遊べなくなるそうだ。アインクラッドのボスを1パーティーで倒せば全員の名前が《始まりの街》にある石碑に名前が残る。
そこに名前を残すのがユウキ達の目的なのだそうだ。
ふと、ある顔が頭に浮かんだ。
旧アインクラッド攻略の際、数多の絶望的状況をことごとくひっくり返した大太刀使いの顔だ。強力なボスモンスターをアスナを含めたたった7人で戦うとして、彼は何と言うだろうか?
―――決まってる。不敵に笑いながら断言するだろう。『余裕だろ』、と。
25層や26層もチャレンジして、ダメだったらしい。プレイヤー強さは十分なはず、ならばアスナの役目はそれを効率化することだろう。
また、こんなおかしな出会いもまたVRMMOの醍醐味でもある。そして何より――胸の奥に仄かな、しかし確固たる予感がアスナに言っていた。――この出会いは何かを変化させる、と。
「……やるだけ、やってみましょうか。この際、成功率とかは置いといて」
アスナは顔を上げて、いたずらっぽく微笑みながら言った。途端、ユウキが可憐な顔をまぶしいほどに輝かせ、仲間5人が歓声を上げる中、アスナの両手を強く包み込んだ。
「ありがとう、アスナさん!最初に剣を撃ち合った時から、そう言ってくれると思ってたよ!」
「私のことは、アスナって呼んで」
微笑みながらそう応じると、ユウキもにっこりと笑って叫んだ。
「ボクもユウキでいいよ!」
その笑顔にアスナは記憶のどこかが刺激されるのを感じた。
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騒ぎが1段落すると、アスナはずっと疑問に思っていた事をユウキに向かって口にした。
「そう言えば、ユウキは、デュエルで強い人を探してたんだよね?」
「うん、そ
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