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連邦の朝
第三十二話 兆し
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クタン(オクタン価112〜12)ガソリンの開発制作班と医療道具開発班が、協力してやっと開発出来ました。まだまだ量産化はできません。しかし、もう一方のカーボンダガーは、カーボン新資源開発班と鋳造技術開発班(元武器専門の熟練工)を派遣したので上手くいきました。鋼鉄の剣が欠ける程の強度とどの方向からの衝撃にも、対応し鋼鉄の剣よりも高い耐久性をてに出来ました。量産化は、カーボンチューブよりも容易いとのことです。しかし、材料は石油か石炭ですのでエネルギー資源を多く使うことになります。後、陛下ご指示のダイヤモンド作成に支障が出ています。」
コルベールと入れ替わりで佐々木が立ち上がる。

「備蓄戦略物資は、鉄鋼が9万トン、石油は1900トン、アルミは600トン、銅が8万トンが有りますが、しかし、工場等を秘匿していては、余り備蓄物資が増えません。そろそろ、鉄鋼のみは公開してもよろしいのでは?鉄鋼だけあってもトリステインのように蒸気船を建造出来ると思えませんが?」
佐々木は、ワイアットに聞く。

「いや確かに、そうだが後技術を他国よりも高くせねばなるまい。君が言っていたジェットが完成するまでは、まだまだ隠しているべきだ。ガリアやゲルマニアが予算を組んでかなりの額を諜報と技術分野に投下したら、我々の研究の大半は、盗られる。かの国らに、比べて我がトリステインは、収入が4分の1程度なのだ。早々に積み上げられて来た大国の歴史は、超えれないのだよ。戦争に勝てても国力がそれに追い付いていないのだ。仕方ないことだがな…」
ワイアットの発言は、トリステインの実情を表していた。
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