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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第5話 NIGHT-WALK
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りがとう」
「いやいや……君みたいな可愛い子を送れて光栄だったよ」
「ふぇ!?」
葛葉の言葉に顔を赤くする。
今まで異性に言われた事もない歯の浮いたようなセリフに過剰に反応しています。
頬に手を当て、顔を見られないよう俯かせる。
頭の中で彼の言葉が反芻する。
葛葉はフェイトのそれに気付いた様子もなく、エレベーターへと向かって歩きだす。
彼が遠ざかるのに気付き、背中を向けている彼に声を掛ける。
「あ、あの!」
「ん?なんだ?」
呼ばれて此方を振り返る。
恥ずかしさがまだ残っていて、“あぅ……あぅ”と言葉に成らない声が漏れる。
彼がそんな私の様子に首を傾げ出す。
あぅ〜……絶対変な子だと思われている。
何とか取り繕い、言葉を繋げる。
「あの……あのね!」
「?ああ……」
「その……えっと……私、フェイト・テスタロッサって言います。貴方は? 」
「ーーーー」
う〜……なんで自己紹介なんて初めてしまったんだろう。
彼は何も言わず、此方を見詰めたままだ。
恥ずかしさに顔を再び俯かせる。
そんな様子の私を見ながら、おもむろに彼は口を開き出す。
「・・・・葛葉」
「え?」
「僕の名前は、高町 葛葉だ」
「!?」
彼がしっかりと返してくれた。
優しく微笑みながら語りかけてくれる。
「機会があれば、また会うことになる。またな、
フェイト
(
・・・・
)
」
「!・・・・うん、またね、クズハ」
互いに手を振りながら別れを交わす。
また、何処かで会えることを信じて。
彼が踵を返して歩いていく背中を見詰める。
ーーこうして、私と彼の夜の散歩は終わりを向かえた。
ーー彼とまた会える機会はないと思うけど・・・・。
ーーもし・・・・また会えるなら・・・・。
ーーもう一度、今日の様に二人で話したい。
ーーそう思えた夜だった・・・・。
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