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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第5話 NIGHT-WALK
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の白い子は“彼”と兄妹らしいから、集めるつもりは無くても、あの子を助けにくるかもしれない」
実際、今日の夕方……彼は助けにきた。
兄として妹をーーーー。
その光景を見て、フェイトは少し胸がチクリと痛んだ。
そして今もそれを思いだし、胸を痛める。
痛みをまぎらわせる為に、両手で包み込むようにジュエルシードを祈る様に握る。
彼はジュエルシードを2つも譲ってくれた人。
これが何なのか、知っている筈なのに。
何の見返りも求めずに、私に渡してくれた。
そんな少年の大切な家族に、知らなかったとはいえ、怪我を負わせてしまった事が悔やまれる。
結局、お礼らしいお礼を何も返せていない。
(今度会ったら、話を聞かせてほしい……かーーー)
別れ際にそう言ってきた少年。
私がジュエルシードを集める理由を知りたいと。
その理由が彼の妹を傷つけるに足るものなのか知りたいと言っていた。
答えようかどうか迷った。
私の理由が彼の大切な物を傷つけてまでの理由になるかは解らなかった。
例え、彼が下らないと切り捨てても怒りはしない。
私がジュエルシードを集める理由は単純なようで複雑だ。
だからーーーー。
(きっと……話しても……言葉にしても分からない)
彼には悪いが話せない。
それは白い子に対しても同様。
きっと理解されない。
結局の話、彼らとは敵対以外の選択肢はない。
だけどーーー。
「まぁ……何かあったら、私がぶっ飛ばしてやるから、フェイトは心配しなくて良いからね?」
「……ありがとう。アルフ」
好戦的な笑みを浮かべて、フェイトを心配しないように言うアルフ。
頼もしい自分の大切な使い魔の言葉に彼女も微笑む。
一瞬、頭に過った弱音を振り払いながら。
「それじゃあ、アルフ。引き続き宜しく。私ももう少しこの辺りを探してみるから」
「わかったよ。気を付けて」
「うん……分かってる」
会話を終えて、通信モニターを切る。
アルフとの話し合いを終え、一息を付く。
一度、頭の中の雑念を振り払い、此れからの行動について考える。
回収出来たジュエルシードは21個の内、まだ3つ。
白い子が幾つか持っている可能性があるから、いつか彼女から奪わなければならない。
そうなるとーーー。
「貴方は必ず護りに来るよね?」
月明かりが照らす夜。
誰もいない公園で一人呟く。
頭に再び、黒髪の不思議な力を持つ少年が浮かぶ。
彼と出会ったのも此処だ。
彼女の双子の兄。
彼女と戦う事になれば、きっと現れる。
その時、自分は……彼と戦えるだろうか?
ジュエルシードを譲ってくれた恩人に刃を向けられる?
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