そろそろ戦闘に入りたいな
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上に、神の権能という超常の力を使うのだから、使用者にも相応の負担が掛かる。私は選ばれなかった。使用者に選ばれなかった私には無用の長物だったし、総一朗も困っていたからね。あの村に置いてきたのだよ。まあ、あの時、村に危害を齎していたのはまつろわぬ神ではなく、ただの神霊だったからね。あの程度の神霊ならば、四十年以上経過した今でも能力を奪い続けられたということだろう。』
「恒久的じゃなくても、十分に破格の性能よ!それを惜しげも無く置いてきたなんて・・・。」
やはり、この最上位の魔女と自分は違う・・・と、エリカは落ち込んだ。
「・・・・・・・・・。」
二人が神器について話し合っている最中、護堂は一言も喋らなかった。じっと目を瞑って、何かを考えている。
「・・・貴方、どうしたの?」
そんな護堂の様子に気がついたエリカが、話しかける。
「・・・これがあれば、この街の人たちを救えるのか?」
護堂の顔は、何かを決心した男の顔であった。元々、かなり整った容姿をしている上に、野球で鍛えたその身体と性格も相まって、彼は兎に角女性を惹きつける。今回の事件では、様々な問題が突然に降りかかったりして情けない姿しか見せていなかったが(主に全裸だったせいなのだが)、ここに来てこの覚悟の決まった表情を魅せられたエリカは、胸が高鳴るのを感じていた。
だが、彼が喋った内容には異議を挟む。それが、彼をこの事件へと巻き込んでしまった自分の責任だと理解しているが故に。
「貴方は何を言っているの!?例え神器があったとしても、それだけで倒せるほどまつろわぬ神というのは甘い存在じゃないのよ!貴方は、人を殺した事もなければ魔術も使えない、ただの一般人でしょ?」
エリカは、そこで一旦言葉を区切ると、護堂の顔に手を添えて懇願した。
「・・・お願いだから、ここを去りなさい。神器が、まつろわぬナイアーラトテップの権能を奪っているんでしょう?そのおかげで狂気に染まることがないと言うのなら、今のうちに遠くへ逃げるべきよ。・・・お願い、逃げて。」
そう言うエリカの瞳は、今にも涙が溢れそうに潤っていた。その瞳を正面から見つめる護堂だが、しかし・・・
「・・・それは出来ない。」
と、首を横に振った。
「ま、何で?きっと、もうすぐ【伊織魔殺商会】のカンピオーネたちがやってくるわ。こんな大事、どんな方法を使おうが、いつまでも隠しきれる訳が無いもの。私たちだって、本気で情報規制している訳じゃないし、明日か明後日には現れる筈よ!本来何の関係もない貴方が関わる必要なんてないわ!!!」
ナイアーラトテップの権能のせいで、感情を押さえつける理性が正常に作用していないのだろう。エリカは、本来であれば人前で涙を見せるような女性で
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