第10話 ダレダン星域会戦
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「連星艦隊の総司令官、レオーネ・バドエル元帥の旗艦です」
「総司令官自らが出てくるとは。それほどの価値がこの国にあるとも思えんが……それにしても、連星艦隊などと呼称しても所詮は寄せ集めに過ぎないようだな」
目の前の連星艦隊が分艦隊ごとに艦形がまったく違う事から、グリルパルツァーは寄せ集めの混成軍と判断した。
ティオジア連星共同体は規格の共同化を図ってはいるものの、それは新規に建造される艦艇以降のことであり、発足後数年しか経過してない現状では艦艇は所属国ごとにバラバラであった。
そうである以上、それらの艦艇を一括して運用するのは容易なことではなく、寄せ集めという判断は間違ったものではない。
ただ、グリルパルツァーの誤算はその艦隊を率いる人物たちが並では無いことを知らなかったことだろう。
そのツケを彼は身を以って思い知ることになる。
「おもしろい、バドエルとやらがどれほどのものか……試してやろう」
そう言って、グリルパルツァーはほくそ笑む。
グリルパルツァーの階級は大将。
1個艦隊の指揮を任されてはいるが、その数は8000隻と上級大将の15000隻の半分程度である。
だが、ここで勝てば昇進はほぼ間違いなく、真の意味で1個艦隊を指揮できる。
彼にこの機会をみすみす逃す選択肢は無かった。
――戦艦ザッフィーロ 艦橋――
連星艦隊総旗艦ザッフィーロの艦橋では、総司令官レオーネ・バドエル元帥が先手必勝とばかりに攻撃命令を下そうとして副官に止められていた。
「閣下、さすがにいきなり攻撃するのはマズいと思うのですが」
「ちっ……そうだな、連中に警告を発しろ。『エルダテミア共和国はティオジア連星共同体に加盟した、直ちに軍を引け』とな」
グリルパルツァー艦隊に向け警告電が発せられる。
「彼らは大人しく従ってくれるでしょうか?」
「あのロアキアを下すほどの国家がこっちの言い分を素直に認めると思うか? だいたい、連中はエルダテミア共和国の独立を認めてねぇ。そう簡単には退かんだろ」
「銀河帝国軍より返信、『エルダテミア共和国なる国家の独立を銀河帝国は認めておらず。直ちにこの宙域より撤退せよ、さもなくば殲滅する』以上です」
「だろ?」
「仰るとおりでした」
そう会話している間にも、ティオジア軍に撤退の意思無しと判断した帝国軍が砲撃を始める。
「敵、撃ってきます!」
「こっちも攻撃開始だ。俺たちの強さをいけすかねー帝国のやつらに思い知らせてやろうぜ!」
戦いの幕が切って落とされた。
* * *
ダレダン星系に展開する帝国軍とティオジア軍の戦力は共に8000隻。
両艦隊の司令官であるグリルパルツァー、バドエル共に優秀な指
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