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鋼殻のレギオス IFの物語
二十話・後編
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したり自主トレーニングでもしなさい。あんた相手ならレイフォンも大丈夫でしょ。「技を錆びさせない」ように、これも命令よ」
「はい!」

 クラリーベルが嬉しそうに了解する。

「それとやむを得ず力の行使が必要なら使っていいわ。学業に明確な支障が出るとか、そういう時ね。その判断は任せるわ」
「了解しました」
「あんたら二人の資金はミンスを脅して出させるから安心して使いなさい。お金あってもバイトとかしなさいよ良い経験になるから」
「……陛下したことあるんですか?」
「陛下は前に王宮の厨房で皿を十五枚枚割りその日の内に首になったことが……」
「うりゃ!」

 叫び声とともにアルシェイラがカナリスのスネを蹴る。

「あれはシノーラちゃんだから私とは違うの。私そんなミスしたことないわよ失礼ね」
「カナリスさんが足抑えて無言で蹲ったままなんですけど……」
「軟弱よねぇ」

 ハァ、とアルシェイラは嘆かわしそうに溜息を吐く。
 
「まあそんなところね。で、クラリーベル。あんたはレイフォンの監視役と同時に監督役。それに対してあんたに権限をあげるわ」
「権限ですか?」
「そ。留学中に関し、あなたにレイフォンに対しては女王と等しい権限を付与します。必要だと思ったときそれを使いなさい」
「―――了解しました。謹んで拝命させて頂きます」

 クラリーベルが小さく頭を下げる。

「何かあったときも一々判断仰ぐの面倒だし時間かかるからね。自分で考えなさい。あんたなら乱用は……あー、うん。多分しないわよ……ね」
「しませんよ。……多分。くふ、ふふふふふふふふふふ……」

 少し沈黙が流れる。
 
「ああ、うん。まあそういうことだから。適当でもいいから定期連絡もする様に。大体こんなとこね。何か質問ある?」
「……仮に、ですが、実力がバレてしまった場合などはどうすれば」
「その時その時で自分で判断していいわ。目的に関して邪魔にならないなら放置してもいい。多少なら力を振るってもいい。ただ、余りに障害になるようなら自己判断で他の都市に編入しても構わないわ。その際実力を隠して武芸科で入り、ずっと無難に過ごす、というのも手としてはあるわ。少々下策だけど。後、勿論だけど身の安全の為なら力を振るうことは一切禁止しない。ま、あんたらなら大丈夫だろうけどね」

 ふむ、とクラリーベルは頷く。

「色々と自己判断で構わないということですね。……ではあと一つ。そう言えば私とレイフォンは何年くらい学生をしていればいいのでしょうか? いえまあ、ずっとと言われればそれはそれでですね……」
「あー、特に連絡もなければ卒業するまでいてもいいわ。何かあれば連絡するから。あれよ、帰ってきたとき一人増えてたらティグ爺喜ぶわよ。多分盛大に」
「そうです
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