Episode2 黒衣の剣士
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合わせる。
「君、大丈夫か?」
「……あ、あのっ!」
そこまで言ったアカリが再び視線を泳がせる。かろうじてPoHのブーツ越しに見えるアカリは俺とPoHを交互に見ているようだった。
「えっと…その……」
決意していた表情を崩し、今にも泣き出しそうなアカリが懸命に言葉を紡ごうとする。その聞き取りも難しいだろう言葉に真剣にキリトが聴き入っている。俺も地面とブーツに両耳を塞がれている状態だが、《聞き耳》をさっきからずっと発動しているのでなんとか聞こえる。
恐らくアカリは今、真実をキリトに伝えようとしているのだろう。しかし、それと同時に真実を言うことで俺がどうなるのかも気にしているんだろう。
「…君の言葉で、聞かせてくれないか?」
優しくキリトが言った。それがアカリの感情の堰を切ったのだろう。不意に大粒の涙を流しながらアカリがキリトのコートにしがみついた。
「カイトさんっ!何も悪いことしてませんっ!だから、あのっ…たすけてくださいぃ〜っ!」
涙のせいで鼻声で絶叫に近く懇願したアカリの言葉を聞き終えたキリトは宥めるようにアカリの頭に手を置くと立ち上がった。
「…任せとけ!」
そう力強く言ったキリトとPoHが正面から対峙しているような形になる。PoHが呆れたような声を発する。
「おいおい、まさかそんなガキの言葉を信じるのか?信じて俺達を悪だと見なすのか?」
「少なくとも、この子が一番この状況を客観的に見てたはずだ」
「So bad…。仕方ないな……。ジョニー、やれ」
「イエッサー!」
先ほどと同じように限りなく自然な流れでジョニーに攻撃命令が出された。飛来したナイフがアカリを庇うように立っていたキリトの右肩に突き刺さる。それと同時にPoHの足が俺から離れた。キリトに接近するPoHを後ろから見た俺は、今になってやっとさっき気づく間もなくPoHに距離を詰められた理由を悟った。
PoHの動きは素晴らしく《自然》なのだ。俺のようにフルダイブに慣れていないプレイヤーはいくら自然に動いているつもりでも感覚のどこかに微妙にズレが生じているものなのだ。それが、腕の動きが意識とコンマ何秒ズレているとか視界の情報が意識しないとフォーカスされない等にしても、どこかしらの動きに違和感として顕れるはず。しかし、PoHにはそれが感じられない。つまり、PoHの強さはステータスではなく、フルダイブ慣れしたその動きということになる。それでは、レベルがほぼ同等だとしても多少上だとしても俺が負けるのは必然だったわけだ。
そうこう難しいことを考えているうちにPoHがキリトに肉薄した。ジョニーがキリトに刺したナイフがハズキに投げたものと一緒ならば、恐らく今キリトは《麻痺》を起こしているはずだ。だとすると、キリトは
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