涙〜
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に行くの?」
「ちょっと愛依を見てくる」
俺はティアに一言そう言って、部屋に入る・・・瞬間、
チャキ
「・・・」
扉を開いた瞬間、偃月刀が首に突き付けられた。
「・・・目が覚めたのか。そんで・・・」
「・・・」
「記憶も戻ったんだな」
その言葉にピクッと愛依が反応する。・・・その気なら今の隙だけでも充分愛依を殺れたが・・・
「・・・ああ、破壊者・・・のな」
「今までの記憶は?」
「・・・ある」
俺はため息を吐く。
「・・・んで?どうするんだ?俺を殺すのか」
「・・・そうすればオレと椿の記憶が戻るんだ」
「・・・」
「椿を守るためなんだ。そのためにも・・・」
「じゃあ、聞くが」
「?」
「殺す気ならこんな会話は必要ない。さっさとその偃月刀で首を飛ばせばよかったんだ」
「う、うるせぇ!」
「それに」
俺は愛依を見る。その目にあったのは・・・迷い。
「オ、オレは・・・椿の・・・椿のために・・・」
愛依の手が震える。
「椿のためならなんだってやってやる!」
「・・・」
俺は・・・その言葉を聞いて・・・
「・・・おい」
「え・・・」
俺は偃月刀を・・・右手で・・・素手で刃の部分を掴む。
「ば、バカ野郎!何を・・・っ!?」
俺から偃月刀を引こうとした隙を狙い・・・そのまま首を掴み、壁に叩きつける。
「がっ・・・」
「お前・・・逃げてるだろ」
「なんだっ、て・・・」
「今のお前は“目的”を“言い訳”にしている。・・・違うか?」
「そ、そんな・・・」
「『椿のためなら何をしてもいい』・・・言い方は悪いが、それに近い考えの筈だ」
「ち、違う!オレは・・・オレは椿を・・・」
「ああ。きっと“椿を守りたい”という気持ちは本物だ。・・・だけど、お前は・・・幼すぎた。その意思はまだお前には重すぎたんだ」
「あ・・・」
俺は右手を愛依に見せる。・・・そこには一筋の傷から血が滴っている。
「さっき、偃月刀を掴んだ時、お前は慌てて偃月刀を引いた。・・・それは刃を掴まれて無力化させられると思ったからじゃない。・・・その刃で傷つけてしまうと思ったからだ。違うか?」
「う・・・」
「もう隠さなくてもいい。・・・本当のお前は・・・」
俺は手を離す。・・・愛依はそのままぺたりと座り込む。
「・・・オレは・・・もう・・・」
ポタリ
床に涙が落ちる。
「誰かを・・・傷つけたくない・・・!戦いたくない!」
一度零れてしまった涙は止まらない。
「最低だ・・・オレは・・・椿を言い訳にしてたんだ・・
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