砂漠越え〜
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・・自分が自分じゃなくなって・・・」
「だろうな。俺も経験がある」
「・・・あ、あれは・・・」
「闇。人間に必ず存在するもの。そのなかでもその闇を具現できる奴もいる。・・・それが俺やお前だ」
「や、み・・・」
「ああ。まさに諸刃の剣さ。使いこなせば力になり・・・」
「・・・」
「呑まれれば、大切な人を傷つける凶器になる」
「・・・」
愛依がうつ向き、肩を震わせる。
「わた、し・・・もう咲さんに・・・ふみゃ!?」
愛依の頭にチョップを叩き込む。
「なんでそうなる?」
「だ・・・だって、またわたしの・・・闇が暴走したら、咲さんが・・・」
「だったら暴走する度にお前の闇を貰ってやる」
「そ、そんなの咲さんが持ちません!」
「持たせる。必ず。・・・俺はお前を守ってやると言っただろう?」
「う・・・」
愛依の瞳に涙が溜まる。
「安心しろ。俺はお前の・・・」
「・・・」
「お前の・・・味方であり続ける。間違ったことをしたなら叱ってやる。良い事をしたなら誉めてやる。悲しくなったら慰めてやる。俺はお前を支えてやるさ」
「う・・・うわぁぁぁぁん!わあああん!」
愛依が号泣し、俺に抱きつく。
「(これでいいのかな・・・恋、詠・・・)」
亮ならもっと上手くやれたのかもしれない。あのバカはああ見えて色んな世界で色んな奴に好かれている。それはあいつは常に全力で相手にぶつかるからだ。俺は・・・
「うあああん!・・・う、うう・・・ひっく・・・」
「(こんなに他人の身を案じ、すぐ泣く奴が破壊者に向くか?)」
于吉、左慈、言峰、ギルガメッシュ、色んな欠片が集まり出来たもう一人の俺や亮・・・全ての破壊者達は必ずしも何かしらの願望があった。だが、椿と愛依はどうだ?椿は人の死を見ただけで動揺し、愛依は今まさにこの状況だ。・・・なら、コイツらが破壊者になったのには・・・必ず裏がある。
「(予想できるのは・・・)」
世界を見る・・・神によるもの・・・だが、いくら神でもこんな破壊者に向かない奴を破壊者にはしないだろう。なら、神に近い力を持つ者。そして、椿と愛依が二人とも記憶喪失なのもそいつが原因に違いないだろう。・・・何故この二人を破壊者として恋姫の世界を襲わせた?そうだ。あの世界はもう続きはない筈だ。それをわざわざ・・・俺達とコイツらは何か関係があるのか?・・・くそ、情報は揃ってる。きっともう断言できる程に。なのに考えが纏まらない。何か・・・何かを見落としている。答えに必要な情報を何か抜かしている。パズルのワンピースだけが抜けている。
「咲・・・さん?」
「あ・・・」
愛依に声をかけられ、思考が中断
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