暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
砂漠越え〜
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
セドニアまで行き・・・

「ようやくケセドニアまできたな」

「ここから船でカイツールへ向かうのね?」

「マルクトの領事館まで行けば、船まで案内してもらえる筈です」

その時、ルークが頭を抑える。

「・・・また・・・か!」

「ルーク!またか?頻繁になってきたな・・・」

「・・・大丈夫。治まってきた」

「いや、念のため少し休んだほうがいい」

「そしたら宿に行こうよ。イオン様のこともだけど、アイも休ませなきゃ」

「・・・わかった」

宿屋に向かい、入ろうとした瞬間。

「う・・・う・・・るさ・・・」



ルークの様子がおかしい。

「ご主人様!大丈夫ですの?」

「ルーク、しっかりして」

「黙れ・・・!俺を操るな・・・!」

いきなりルークがティアに剣を向ける。

「ルーク!どうしたの!?」

「ち・・・ちが・・・う!体が勝手に・・・!や、やめろっ!」

次の瞬間・・・ルークは倒れた。俺達はルークを宿屋に運び、俺は愛依と二人きりになる。

「・・・う、ああ・・・」

うなされる愛依を前にして、俺は思い出す。あの世界で闇が暴走し、恋と闇を分けあった時、俺は自分を責め続けた。もしあの時、恋と詠が俺を支えてくれなければ、俺はまた我を失っていた。・・・だから、精神的に脆いこの子は・・・きっと壊れてしまう。だから俺が支えてやる。ここしばらく共に過ごして・・・わかった事がある。破壊者としての愛依は演技だ。俺が怒りで我を忘れ、愛依を半殺しにした時・・・一瞬だが愛依の纏う何かが変わった。

「(何かの理由があって攻撃的な性格を演じていた)」

いや、きっと椿絡みだ。今まで闇が暴走しなかったのも、本当の自分を忘れ、あの闇にも負けない意志を保ち続けたから。だけど、今の愛依は違う。闇の受け流し方は、常に自分の意志を保つか、多少なりとも闇にあわせるか。前者は俺や恋。後者は亞莎が当てはまる。だが、今の愛依はどちらも出来ていない。つまり・・・

「(簡単な感情の暴走で闇に呑まれる)」

「う、ん・・・」

愛依が目を開き、跳ね上がって身体中を触る。そして俺を見て・・・

「あ、あああ・・・」

・・・やっぱりだ。

「わ、わた・・・わぷっ!?」

何かを言う前に枕を投げる。

「あー、自分を責めなくてもいいっつの」

「で、でも!・・・ぷわ!?」

今度は掛け布団を被せる。

「さっきから何をするんですか!?」

「・・・はぁ。・・・記憶はあるのか?」

その言葉に愛依の身体がビクッ、と跳ねた。

「・・・覚えてるんだな?」

「・・・はい」

「怖かったか?」

「はい・・・咲さんを助けようって思ったら・
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ