砂漠越え〜
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セドニアまで行き・・・
「ようやくケセドニアまできたな」
「ここから船でカイツールへ向かうのね?」
「マルクトの領事館まで行けば、船まで案内してもらえる筈です」
その時、ルークが頭を抑える。
「・・・また・・・か!」
「ルーク!またか?頻繁になってきたな・・・」
「・・・大丈夫。治まってきた」
「いや、念のため少し休んだほうがいい」
「そしたら宿に行こうよ。イオン様のこともだけど、アイも休ませなきゃ」
「・・・わかった」
宿屋に向かい、入ろうとした瞬間。
「う・・・う・・・るさ・・・」
ルークの様子がおかしい。
「ご主人様!大丈夫ですの?」
「ルーク、しっかりして」
「黙れ・・・!俺を操るな・・・!」
いきなりルークがティアに剣を向ける。
「ルーク!どうしたの!?」
「ち・・・ちが・・・う!体が勝手に・・・!や、やめろっ!」
次の瞬間・・・ルークは倒れた。俺達はルークを宿屋に運び、俺は愛依と二人きりになる。
「・・・う、ああ・・・」
うなされる愛依を前にして、俺は思い出す。あの世界で闇が暴走し、恋と闇を分けあった時、俺は自分を責め続けた。もしあの時、恋と詠が俺を支えてくれなければ、俺はまた我を失っていた。・・・だから、精神的に脆いこの子は・・・きっと壊れてしまう。だから俺が支えてやる。ここしばらく共に過ごして・・・わかった事がある。破壊者としての愛依は演技だ。俺が怒りで我を忘れ、愛依を半殺しにした時・・・一瞬だが愛依の纏う何かが変わった。
「(何かの理由があって攻撃的な性格を演じていた)」
いや、きっと椿絡みだ。今まで闇が暴走しなかったのも、本当の自分を忘れ、あの闇にも負けない意志を保ち続けたから。だけど、今の愛依は違う。闇の受け流し方は、常に自分の意志を保つか、多少なりとも闇にあわせるか。前者は俺や恋。後者は亞莎が当てはまる。だが、今の愛依はどちらも出来ていない。つまり・・・
「(簡単な感情の暴走で闇に呑まれる)」
「う、ん・・・」
愛依が目を開き、跳ね上がって身体中を触る。そして俺を見て・・・
「あ、あああ・・・」
・・・やっぱりだ。
「わ、わた・・・わぷっ!?」
何かを言う前に枕を投げる。
「あー、自分を責めなくてもいいっつの」
「で、でも!・・・ぷわ!?」
今度は掛け布団を被せる。
「さっきから何をするんですか!?」
「・・・はぁ。・・・記憶はあるのか?」
その言葉に愛依の身体がビクッ、と跳ねた。
「・・・覚えてるんだな?」
「・・・はい」
「怖かったか?」
「はい・・・咲さんを助けようって思ったら・
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