砂漠越え〜
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・・」
チャキッ
「う・・・」
首元に大鎌が突き付けられる。
「これで終わりだな。貴様のような者を殺すのは惜しいが・・・」
「・・・やだ」
「ッ!?」
身体中に寒気が走る。
「やだ・・・やだやだやだ・・・死なないで・・・わたしの前から・・・」
愛依の身体から闇が溢れ出す。
「誰もいなくならないで・・・一人は嫌だよ・・・あ、あああ・・・アアアアアアアアアアアア!!」
愛依は二本の偃月刀を持ち、走り出す。
ズガァァン!!
「・・・は?」
何が起こったのか理解が出来ない。さっきまでラルゴがいた場所には愛依が立っていて・・・
「愛、依・・・?」
「ウアアアアア!!!」
愛依が吼える。・・・これは、暴走。
「愛依!それ以上闇を使うな!」
「ガァァァァァァァ!!」
次第に愛依の身体が変貌していく。
「・・・ッ!」
まるで恋の時と同じ。俺は素早く腕のグローブを固定しているベルトを取り、左腕のグローブを外す。
「・・・」
露になる黒ずんだ腕。・・・俺がやる事は一つ。雛里にも、恋にも使った・・・闇の吸収。
「愛依!少しだけ我慢しろ!」
左腕だけを異形に変え、愛依に突き立てる。
「(これ、は・・・愛依だけじゃない・・・!?沢山の・・・闇が・・・)」
沢山の闇の波長。その中に愛依や・・・シィの闇もあった。
「(厳しい、な・・・)」
吸収する闇は愛依でもシィのでもない。・・・他の憎悪の闇。それさえ吸収できれば・・・
「ぐ・・・」
・・・だが、そう簡単にはいかなかった。それはあっさりと俺の許容範囲を越え、俺の精神を蝕んでくる。
「ウオオオオオ!!」
叫ぶ。こんなモノに負けてなるものか。きっと・・・恋が俺の闇を吸収した時も同じだった筈だ。・・・助けられてばかりじゃいられない。闇に関しては全て誰かに頼ってきた。
「(なら・・・!)」
いい加減、誰かに頼られてもいい筈だ。闇がなんだ。負の感情がなんだ。俺は俺だ。闇が増えようが記憶がなかろうが、俺はこうして存在し、生きている。
「お前も・・・まだ死にたくはないだろう?」
愛依に語りかける。そして・・・愛依はその場に倒れた。
「ハァ・・・ハァ・・・ぐ、あぁぁぁ・・・!」
闇を何とか鎮め、グローブを填め直す。
「タービュランス!」
ズガァァン!
「・・・くっ・・・」
ジェイドの譜術でシンクがラルゴの真横まで吹き飛ばされる。
「二人がかりで何やってんだ!屑!」
アッシュがそう言いながら斬りかかってくる。ルークはそれに立ち向かい・・・二人同時に双牙斬を繰り出した。
「今の・・・
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