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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
黒守黎慈とフェンサー(2) ─共に戦う者として─
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手が出る、もしくは出したがるタイプだ。
それはつまり、先出しが好きだということ。
じゃんけんにおいて先出しが好きであることは何のメリットにもならず、それどころか明確な弱点になる。
だからこそ遠坂凛はじゃんけんが弱いという、決定的な弱点を持っているのだ…………!
そんな俺の提案に、しかし二人は渋い顔をする。
「だから俺は購買に行く意味がないんだから、そもそも前提として勝負が成り立ってないだろ」
「じゃんけんで事が済むんだからまだいい方だろ。それとも凛に言いくるめられて、結局パシらされる方がいいのか?」
「む」
一理あると思ったのか、士郎は案外あっさりと反論を引っ込めた。
さすが、状況をよく見ているな。
「ちょっと黒守くん、私がじゃんけん苦手だって知ってるでしょ」
「おやおや。つまり遠坂さんは、じゃんけんが弱いからー、私負けちゃうから嫌だー、なんて仰る訳ですね?」
「そ、そんなこと言ってないでしょ!」
「分かってる分かってる、不利な勝負を引き受けるなんて賢くないもんな。
それじゃあまず、『私じゃんけんで負けるのが怖いの、だから他の方法にして?』 ってお願いしてみようか?」
「っ……いいわよ、やってやるわよ!」
凛の瞳に焔が灯る。
剥き出しの闘志を滲ませながら、握り拳に無駄に力を入れている。
やる気は十分なようだ。
────よし、作戦通り。
(士郎、後出しにならない程度にゆっくりと手を出せ。それと凛の手に注意を払っておけ)
(? ……わかった)
これで準備は万端。
今、一つの戦いが始まろうとしていた。
勝負は一瞬、俺はこの刹那に全てを賭ける!
「「「最初はグー!」」」
「「「じゃーんけーん……………」」」
「「「ポン!!!」」」
俺は渾身のチョキ、士郎も同じくチョキだ。
ここまでで勝負は平行。
残る凛の手の形によって、勝敗の結果が決まる。
グーなら凛の一人勝ち。
チョキならアイコで仕切り直し。
パーなら凛の一人負けだ。
そして肝心の凛の手は………………
「くっ……やっぱり、勝てなかった…………!」
崩れ落ちる遠坂凛。
言い様のない敗北感に打ちのめされ、彼女は机に項垂れていた。
しかし感傷に浸る猶予など存在しない。
敗北した彼女には、大切な役目があるからだ。
俺は項垂れる凛の肩を、これ見よがしにポンポンと叩く。
「ほら、早くミルクティー買ってこいよ」
「く、くぅ……! 黎慈、アンタ…………!」
「おいおい、敗北者に発言権なんてあると思ってんのか? い
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