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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
黒守黎慈とフェンサー(2) ─共に戦う者として─
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用だよ」
「ちょっと一緒に来て」

 ずんずんと大股に先を歩き始める。
 正直今の彼女の行動は俺には奇行にしか見えないが、ボーッとしていてもしょうがないので後についていく。

 廊下を少し歩く。
 とある教室の前で止まり、凛は衝撃の発言を繰り出してきた。

「黒守くん、衛宮くんを呼んできて」
「……はぁ?」
「アイツ、こっちに用があるのなんて分かってるくせに、知らぬ存ぜぬを貫いてるの。
 でも私から呼びには行けないし、あなたが呼んできてくれる?」
「ちょっとお待ちになって、凛さま」

 今の発言、少し……いやかなりおかしくないか?

「おまえ俺のこと教室まで呼びつけに来たよな。それが俺に出来て何で士郎に出来ねぇんだよ」
「だ、だってそれは…………」

 何その反応。超ムカつくんですけど。
 士郎も士郎だ。アイツが空気を読んでいれば俺が起こされることもなかったんだ。

 別にここで俺が大人しく士郎を引きずってくれば万事解決かもしれないが、そんな面白くない展開誰が許すか!

「おい凛、付いてこい」
「え、ちょっと黎慈!?」

 凛の手を引き、教室の中へと突撃する。
 こちらの様子を窺っていた生徒たちの波が割れていく。

 その間を突き進み、これ以上はないほどの視線を浴びながら士郎の席まで歩いていく。
 士郎は「マジかよ!?」みたいな顔をしながらこっちを凝視している。

「な、何の用だ、黎慈?」

 当の本人である士郎は、顔を引き攣らせていた。

 そんな士郎に、俺は極上の笑みを浮かべて──────

「いやー、悪いな士郎。そういえば今日は三人で飯食う約束だったよな!」

 教室中に響き渡る声で、そう宣言した。

 さぁ、楽しい昼休みの始まりだ。









 士郎の机に席をくっ付けて、三つ巴の昼食が始まった。

 弁当を用意していたのは士郎だけのようで、俺と凛は手ぶらだ。
 話すことはあるが、その間士郎だけが飯を食うのを眺めているわけにはいかない。

 考えていたことは同じようで、俺よりも先に凛が提案を述べた。

「ねぇ衛宮くん、黒守くん。貴方たちのどちらでもいいんだけど、購買に行ってサンドイッチを買ってきてくれないかしら」
「あ、士郎。俺の分もよろしく。俺は飲み物だけでいいぞ」
「な、なんでだよ。必要なら自分で買いに行けばいいだろ。俺には自分の飯がある」
「ごもっともな意見なんだけど……衛宮くんは、女の子をパシらせる気なのかしら?」
「う……」
「いやいや、この場合女とか関係ないだろ。ここは平等に、公平に、じゃんけんで決めるべきだ」

 ニヤリと笑う。

 そう、俺は知っている。
 喧嘩だろうと何だろうと。凛は先に
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