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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
黒守黎慈とフェンサー(2) ─共に戦う者として─
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うどいいことにフェンサーが部屋の中に戻ってきた。

「おはよう、マスター。昨夜は異常なし、食器は洗っておいたし、腕には治癒魔術かけておいたから」

 言いたいことだけ言って、霊体化して消えるフェンサー。

 確かに昨日使った食器は洗われてるし、技を掛けられた腕にダメージや痛みは残っていない。

 しかし今訴えたいのはそんなことではない。

「ちょっと待てフェンサー。朝飯はどうするんだ」
『遅くに夜食を食べたから必要ないわ。それと今後は、食事は用意しなくていいから』
「…………一体どういう風の吹き回しデスの?」

 夜食とは恐らく、隠しておいたビーフストロガノフのことだろう。

 昨日の喧嘩からまだ不機嫌を引きずってるのか?

 それとも何か考えがあってのことか、考えを改めてのことか。
 必要ないというのなら、今日は食欲なんてないので作る手間が省けて助かるのだが…………

『警護はいつも通りに。マスターは普段と同じように過ごしててね』
「あぁ……?」

 サーヴァントも鬱々とした気分になることがあるのか。
 昨日までとは違う振る舞いに疑問は浮かぶが、それが特に問題であるという訳でもない。

 今は何やら向こうも感傷的になっているようなので、また何かあったときに話をすればいいだろう。









 四時限目の授業終了のチャイムが鳴る。
 机に突っ伏したままの体勢でそれを聞き届け、そのまま休息を取り続ける。

 今日は半日、この状態のままで過ごしていた。

 朝から盛大にリバースしたおかげで、体調と気分が優れなかったのだ。
 依然として食欲も湧かないので、朝食だけでなく昼食も抜くことになるか。

 せめて無駄な体力は使わないでおこう。





 昼休みになってから5分ほど経った頃。

 俺の平穏を壊しに、あかいあくまがやって来た。

「ちょっと、黒守くん。起きなさい」
「……………………」
「起きなさいって言ってるの」
「……ちょっと待ってよ、寝かしてよぉ。今日は調子悪いんだからさぁ」
「あら、それは好都合ね。いいから起きなさいな」

 何なんだよ突然、コイツは。

 わざわざ教室の中まで呼びつけに来るとか、一年半の学生生活で一度もなかったじゃん。
 ていうか、出会った頃の中学生だったときから考えても、こんなの初めてのイベントだよ。

 それにほら見ろ、周囲の反応を。

 学園のアイドルが他クラスの男子を呼びつけに来るなんてスキャンダル、他の奴ら(主に男子生徒)が見過ごすはずないんだから。

 …………仕方ない。
 このまま注目を浴び続ける訳にもいかないし、ちゃっちゃと用件を聞いてもう一度寝よう。

「んで、何の
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