暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
バチカル〜
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「あれ・・・非常口だよな」

「調べてみましょう」

「愛依、大丈夫か?」

愛依はぺたんと座りながら顔だけをこちらに向ける。

「あの・・・腰が抜けました・・・」

「・・・ぷっ」

俺は笑いながら愛依に手を貸す。

「よし、あそこに梯子を降ろせば外に出られるな」

「ケセドニアには砂漠越えが必要よ。途中にはオアシスがあるはずだから、そこで一度休憩しましょう」

「ガイ。あなたが先に降りなさい。私が足を滑らせたらあなたが助けるのよ」

「・・・俺がそんなことできないの知ってて言ってるよな」

「だって早くそれを克服していただかないと、ルークと結婚した時に困りますもの」

「ルーク様はもっとず〜〜っと若くてぴちぴちのコがいいですよねっ♪婚約なんていつでも破棄できますし♪」

「・・・なんですの」

「何よぅ・・・」

「ルーク。あなたって最低だわ」

「何なんだよ!俺のせいかよ!」

「やー、仲が良さそうで何よりです」

「あんたの目は節穴かっつーの!」

そして降りると・・・神託の盾がいた。ルークが剣を抜く。

「イオンを返せぇぇぇぇぇ!!」

そこにいた・・・鮮血のアッシュと打ち合う。

「・・・おまえかぁっ!」

二人がつばぜり合いをし・・・ルークの動きが止まる。

「アッシュ!今はイオンが優先だ!」

「わかってる!・・・いいご身分だな!ちゃらちゃら女を引き連れやがって」

アッシュの顔は・・・ルークとそっくりだった。ルークは口元を押さえてうつ向く。

「・・・あいつ・・・俺と同じ顔・・・」

「・・・どういうこと?」

ナタリアが呟く。

「ところで・・・イオン様が連れていかれましたが」

「・・・あああ!!しまったーっ!」

みるみるうちに神託の盾のタルタロスが見えなくなっていく。

「どちらにしても六神将に会った時点で囮作戦は失敗ですね」

「バチカルに戻って船を使った方がいいんじゃないか?」

「無駄ですわ」

「・・・なんで」

気分が悪そうにルークが聞く。

「お父様はまだマルクトを信じていませんの。囮の船を出港させた後、海からの侵略に備えて港を封鎖したはずです」

「陸路へ行ってイオン様を捜しましょう」

結局陸路に決定した。俺達はオアシスに向かって進みだした・・・



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