バチカル〜
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この八人で旅する以上、あなた一人に皆があわせるのは不自然です。少なくとも、この場ではあなたは王族という身分を棄てている訳ですからね」
「・・・確かにそうですわね。ごめんなさい」
「あれ、案外素直」
「一々うるさいですわよ」
「・・・」
「やー、皆さん。理解が深まったようですね。よかったよかった」
「どこがだよ、おい・・・」
「大丈夫、大丈夫・・・皆がいるから大丈夫・・・」
まだブツブツ言ってるよ。
「・・・まだ出口じゃないんですか・・・」
尋常じゃないくらいガクブルしている愛依が聞く。
「ああ、多分そろそ・・・」
俺は動きを止める。
「なんか臭うな」
「油臭いよぅ!」
「この工場が機能していた頃の名残かな?それにしちゃ・・・」
「待って!音が聞こえる・・・何か・・・いる?」
「まあ、何も聞こえませんわよ」
「いえ・・・いますね。魔物か?」
俺達は全員身構え・・・
「危ない!」
ティアがナタリアを突き飛ばす。・・・直後、油のスライムみたいな魔物が降ってくる。
「うわっ!きたーっ!」
「いやーーー!!」
愛依が叫ぶ。
「愛依、下がってろ!」
ナタリアが弓矢を構える。
「ビアシスライン!」
光を纏った矢が飛ぶが・・・
グニャン
「な、矢が・・・」
「なら、これならどうだ!」
ガイが走り出す。
「弧月閃!」
グニュン
「くっ・・・」
「だったら!リパル、鎌!」
『了解ッス!』
ガシャン、と音を立てながら鎌に変形させ、斬りつける。
ズバァ!
「通った!」
「なるほど、物理は通らないようですね」
「でしたら、アニスちゃんにお任せ!」
アニスが詠唱を始める。
「光の鉄槌!リミテッド!」
ズガン!
「行きますよ。・・・雷雲よ、我が刃となりて敵を貫け。サンダーブレード!」
ジェイドの一撃で魔物が苦しむ。
「終わりよ!エクレールラルム!」
ティアの譜術で魔物が完全に沈黙した。
「な、なんだったんだ、この魔物はよ・・・」
「・・・中身は蜘蛛みたいだな」
「油を食料にしている内に、音素暴走による突然変異を起こしたのかもしれませんね」
「・・・あ、あの。ティア」
「何?」
ナタリアが話しかける。
「ありがとう。助かりましたわ。・・・あなたにもみんなにも迷惑をかけてしまいましたわね」
「いいのよ」
「よくねぇよ。足引っ張んなよ。・・・ところで、排水施設ってのは一体・・・」
「下の方じゃないかな・・・ん?」
ガイが何かを見つける。
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