暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
ケセドニアへ〜
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「んじゃ、最後に一つ。・・・椿って名前に聞き覚えは?」

「椿・・・?・・・うっ・・・」

愛依が頭を抑える。

「愛依?」

「なん、だろう・・・忘れちゃいけない名前の気がします・・・」

「そう、か。・・・そんじゃあ、次だけど」

これも聞かなければいけないだろう。

「これからどうする?」

「え・・・」

「だから、俺達に着いてくるかどうかさ」

「あ・・・その・・・えっと・・・」


どんだけ弱気なんだよ・・・

「お前がしたいようにすればいいだろ?」

「は、はい・・・ごめんなさい・・・」

「謝るなっての。怒ってる訳じゃないんだしさ」

『姿を見ただけでぶちギレてあいたたたたたた!?』

全力で方天画戟のリパルサー部分を握りしめる。

「あ、あの!・・・咲さんは・・・ご迷惑、じゃないですか・・・?」

「迷惑なら気絶してる時の方が迷惑だったっつーの。・・・んで?」

「わ、わたし・・・咲さんに着いていきたい・・・です」

俺は愛依の頭をわしゃわしゃ撫でる。

「なら着いてこい。危険があるかもしれないけど、守ってやるから」

「は、はい!」

愛依が満面の笑みを浮かべる。・・・もう誰だよコイツ。

「じゃあ、みんなと合流するから行くよ。・・・歩けるか?」

「大丈夫です」


愛依は立ち上がり、偃月刀を取り出した。

「これ・・・刃物・・・」

「あっ、と・・・」

愛依が偃月刀を見て驚く。

「わたしが・・・武器を・・・」

「嫌なら俺が預かっとくぜ?」

愛依は首を横に振る。

「いえ・・・自分で持ってます」


そうして俺と愛依ははルーク達と合流する。・・・音譜盤の内容は膨大のため、船で読む事にしたらしい。

「何だ、そいつ目が覚めたのかよ?」

ルークがそう言うと愛依は怯えて俺の背中に隠れる。


「お、おいおい・・・コイツらは仲間だよ」

「仲間・・・ですか?」

「ああ・・・」

その時、ティアが叫んだ。

「危ない!」

「うわっ!?」

突如現れたシンクがガイに一撃を加え、音譜盤を奪う。

「それを寄越せ!」

ガイは紙をかき集め、すぐに間合いを取る。

「ここでいさかいを起こしては迷惑です。船へ!」

「くそっ!なんなんだ!」

俺は愛依の手を掴んで走り出す。

「逃がすかっ!」


俺達は急いで船に乗る。

「ルーク様。出発準備完了しております」

「急いで出港しろ!」

「は?」

「追われてるんだ!急げ!」

間一髪逃げ切り、追っては来なかった。

「ここまで来れば追ってこれないよな」


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