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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
19話
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「トンファーは防御に向いてるしハルバートは攻撃に向いてるからだ」

ロイドは自分に向かって滑空して体当たりしてくる巨大魔獣に対して覚悟を決めて立ち向かった。
それほど早いスピードではないが体重が乗ってる分、重い一撃に吹き飛ばされたものの蝙蝠の動きが一瞬止まった。

「お嬢、翼を撃て!」

この瞬間を逃さず、エニグマで伝わる声に反応してエリィが翼を撃ち抜いてみせた。
バランスを失って速度が急激に落ちる蝙蝠にランディが飛びかかりもう一方の翼を斬り落として蝙蝠を墜落させた。
巨体がドスンと落下して身動きが取れずゴロンと転がる中でランディはハルバートを振りかぶり熱い闘気を込めた止めの一撃を叩き込んだ。
体に深々と突き刺さったハルバートにより巨大蝙蝠は完全に動きが止まった。
4人の荒い息遣いだけが聞こえていた。そして魔獣の息遣いが聞こえないことがわかってやっと緊張を解いたのだ。

「ふう、なんとかなったな」

「ま、アリオスって遊撃士が倒したのに比べれば格下だったがな」

「ふふ。でも4人でやればなんとかなったわ」

「ですね。梃子摺りましたけど私たち、ちゃんとやれました」

「ああ。やれたな」

全員が晴れやかな顔で頷いた。
自分たちは遊撃士にはまだまだ及ばない。しかし正式に任務を一つ達成したのだ。
自力で一歩を、確かに歩めたことは、前回の失敗を挽回できたと、これからもやれるという自信を自分たちに与えてくれた。
新人の寄せ集めで急造した特務支援課にとってこの任務は大きな一歩となった。
彼らの胸には密かな自信と嬉しさが満ちてそれを共有しているお互いの顔を見合ってまた笑うのだった。
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