19話
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ゃんが持ってる魔導杖の機能で、えっと、一昨日子供を見つけた時の、あれは使えないかしら?」
一昨日の初探索で狭いダクトのどこにアンリや魔獣がいるのかを見つけた機能、エイオンシステムの知覚増幅での探索は確かにこの手の捜索などには持って来いなのだが。
「それが、狭い場所なら良いんですが、こういう場所は空気の流れが複雑に混ざってるので分かり辛いんです」
「そうだな、この風が一番まずい」
風がなぜ問題なんだという顔をした二人のためにランディが説明した。
「ほら、風がずっと来てるだろう?ここに魔獣がいたとしても気配や臭いが流れちまう。しかも俺たちが入ってきて流れが変わってるから見当もつかん」
風というよりも空気の流れが、冷たかったり温かったりするぐらいで風というほどはっきりと感じるのは風の流れを調整する区画扉を開けた時ぐらいなので、エリィは上手く実感出来なかった。
「臭いでわかるの?」
「いや、こう、普通にしていたら、なんかいるっぽいな、って思うんだよ。そしたらやっぱりいたなって感じでさ」
「そうなの?」
戦闘慣れしてるランディは臭いや気配などが鋭敏化しているので、その場の空気を感じるだけで分かったりするのだが、口でこの感覚を説明するのは難しかった。
ましてエリィはこの中で一番戦闘経験は少ない。歴戦の猟兵だったランディと同じ感じ方をしろというのは土台無理な話なのだ。
「このジオフロントの風ってどうにか出来るのかな?」
「そりゃ通路の隔壁を閉じるとか送風機を止めれば出来るだろうが、どうやって止めるんだ?」
「えっと、制御端末室で一括制御するということになってます。ですが勝手に使われないように認証が必要みたいです」
「それは許可はいるわよね」
「あ、待ってください。緊急時の手動操作マニュアルがあります」
基本的に区画隔壁扉は人程度の大きさのものが通ろうとすれば自動で開き自動で閉じるので傍の操作スイッチで開けたままか閉めたままに出来る。送風機の方はファンの傍にあるハンドルを回すことで操作が可能なようだ。
「でも止めちゃって良いんでしょうか?」
「判断が難しいわね。無許可だからというのもあるけどほかのジオフロントに空気を送らないと困るだろうし」
市のインフラを勝手に操作しようとしたが、それがどれほど影響があるのかはさすがに想像の範疇外だった。
ロイド自身も空気の流れさえどうにかできればこの二人の力で手配魔獣の追跡は楽になるかと思ったのだが、空気の流れが止まって大変なことになるのか、確かめようがないだけに簡単には行動に踏み切れない。
「じゃあ調節とかはどうなんだ?強くするとかは」
「出来るみたいですけど、なんでです?」
「うん。ジオフロントの地図
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ