暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
遭遇〜
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タを抱き抱える。

「(こうなったら・・・!)」

障気は吸い続けると不味い。俺は黒ずんだ左手を解放するように力を籠めて・・・その時、歌が聞こえた。


ーーーーー♪

「この譜歌は・・・ユリアの譜歌です!」

・・・次の瞬間には、景色は元に戻っていた。

「障気が消えた・・・!?」

「障気が持つ固定振動と同じ振動を与えたの。一時的な防御壁よ。長くは持たないわ」

「噂には聞いた事があります。ユリアが残したと伝えられる七つの譜歌・・・しかしあれは、暗号が複雑で詠みとれた者がいなかったと・・・」

「詮索は後だ。ここから逃げないと」

「・・・そうですね」

そう返事するとジェイドは・・・こともあろうに俺に・・・正しくは俺が抱き抱えているアリエッタに槍を向けた。

「ッ!」

「や、やめろ!なんでそいつを殺そうとするんだ!」

俺が身構え、ルークが叫ぶ。

「生かしておけば、また命を狙われます」

「だとしても、気を失って無抵抗の奴を殺すなんて・・・」

「そうだ・・・もう・・・」

俺の頭の中を黒い感情に塗りつぶされていく。

「俺の家族を殺させるか・・・殺されるなら・・・そいつをブッコロシテヤツザキ二シテヤル」

身体中に闇が集まり、方天画戟を引き出して構える。

「ッ・・・!」

ジェイドの目の色が変わる。

「どうやら・・・あなたは危険すぎるようですね・・・」

俺とジェイドの間に殺気が渦巻く。

「止めてください、二人とも」

イオンの声で思考が元に戻る。



「ジェイド。彼女を見逃してください。アリエッタは元々、僕付きの導師守護役なんです」

ジェイドはしばらく俺を見た後・・・振り返る。

「・・・まあいいでしょう」

「障気が復活しても、当たらない場所に運ぶくらいはいいだろう?」

「ここで見逃す以上、文句を言う筋合いではないですね」


ガイは俺の耳元で話しかけてくる。

「(家族を失う悲しみは・・・わかるぜ)」

「(え・・・)」

「さぁてと!障気が復活する前に早くしようぜ」

俺はライガとアリエッタを寝かせる。

「・・・後で必ず誤解を解くよ・・・」

頭を軽く撫でてやってから俺は立ち上がり、みんなを追いかけた・・・













































「・・・少しよろしいですか?」



カイツールの目の前でジェイドがみんなを止める。

「・・・んだよ。もうすぐカイツールだろ。こんなところでなにするんだっつーの」


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