暁 〜小説投稿サイト〜
『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第三十二話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の右翼の根本を貫通して右翼を吹き飛ばした。

「次弾装填急げッ!!」

 十加の砲兵は砲弾を装填していく。その間にも、漸く討伐隊も落ち着きを取り戻してきた。

 零戦隊が上空から炎龍に機銃掃射して炎龍が反撃しないようにしている。

「此方も射撃をするぞッ!! 砲兵隊の時間稼ぎだ。撃ちまくれェッ!!」

 歩兵達も九九式短小銃や九九式軽機関銃で応戦を開始する。

「中尉ッ!! 自分が手榴弾で……」

「手榴弾で倒せると思っているのかッ!! 機関短銃で牽制するんだッ!!」

 水野が陸軍から提供された九九式手榴弾を手に持ち、樹にそう言ってきたが樹は切り捨てた。

 そして別の一式砲戦車が炎龍を砲撃して以前に第三偵察隊が攻撃をして吹き飛ばした右腕の傷口に砲弾が命中した。

 炎龍は火炎を吐き出して砲撃した一式砲戦車を炎に包ませた。乗員は慌てて逃げ出していく。

「一式の七五ミリじゃあ決定的な打撃は与えられんぞ……」

 樹はそう呟く。伊丹は転んだテュカを助けていた。

「伊丹隊長ッ!! 援護射撃だッ!!」

 樹はベ式機関短銃を撃ちまくる。伊丹はテュカを背負ってレレイと共にチハの後方に回り込んだ。

「此処にいるんだテュカッ!!」

 伊丹はそう言ってベ式機関短銃を握り締めて射撃を始める。チハも五七ミリ戦車砲を撃つが元々対戦車能力を持っていない五七ミリ戦車砲では歯が立たない。

 戦車砲弾は虚しく弾かれてしまった。そしてテュカとレレイが言い合っていたが砲銃声で伊丹や樹の耳に入る事はなかった。

「糞ッ!! 陸軍の砲兵は何をしているんだッ!!」

 片瀬が思わず愚痴を言ったが、砲兵は何もしていないわけではない。

 砲兵隊も射撃をしていたが、炎龍は満身創痍ながらも寸でのところで避けて攻撃していたのだ。

「何か……何か炎龍の注意を引き付ければ……」

 負傷した賀茂大佐は炎龍を見ながらそう呟いた。レレイが魔法で攻撃するが炎龍は見向きもしない。

 そこへ、チハの後方に隠れていたテュカが出てきた。

「隠れていろテュカッ!!」

 伊丹はそう叫ぶが、テュカは精霊魔法を唱えた。

「いけえぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」

 テュカは渾身の雷撃を召喚したのだ。その雷撃でも炎龍を倒す事は出来ないが、炎龍の注意を雷撃に向けられた。

「今だッ!! 撃ェッ!!」

 砲弾を装填した二門の十加と一門の九六式十五糎榴弾砲が九五式破甲榴弾を発射した。

 三発の九五式破甲榴弾は炎龍の首元、腹、左翼の根本に命中した。

「やったかッ!?」

 左翼の根本は吹き飛び、腹からは大量の血液が飛び散り、首元は抉られていた。

「止めの一発だッ!!」

 装填出来た別
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ