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武で語るがよい!
六式vs御神流
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戦を俺と士郎さんは繰り返す。

「斬!」

「獣厳!」

後ろを取り、すかさず攻撃に転じる。
まさに、一回でも隙を見せたらやられる……そんな状況だ。

しかし、このままでは埒が明かない…。
お互いに隙を見せる可能性は低い……そして何より、体力面では恐らく俺が劣る。
士郎さんは大人、俺は子供……長期戦は不利か…。

なら……。

「鉄塊!」

士郎さんが後ろへ回り、攻撃する刹那、全身の体を硬化させる。
そして…両肩に刃が当たり、またもや鉄と鉄がぶつかり合う音が響く

―――キィーン!

だが、最初の音に比べると音は小さい…。
恐らく…小太刀を寝かせ、衝撃を逃がしいるのだろう。
たった一回の鉄塊でここまで反応できるとは……まったく、とんでもない人だよ。

でも、そんな士郎さんでもこれは読めないでしょ!
俺は両肩の小太刀が引き戻される前に……掴む!!

「な!?」

そして…その場でジャンプし、足を立てた状態で膝を曲げ、力一杯空気を蹴る!

「月歩!!」

「ぐぅ!?」

背面体当たり……。

今度の攻撃は士郎さんの腹に入った。
そして…当たった衝撃で士郎さんは吹き飛ばされ、土煙を上げながら受身を取る。
……あれで受身を取れるとはたいしたものだ。

士郎さんにとっては予想外の攻撃だったはずだし。
何より…鉄塊状態での体当たりだ……もはや、車がぶつかって来たのと変らんはずなのに。

「お兄ちゃん! お父さんが!?」

「いや……まだ勝負はついていない」

自分の父親が吹き飛ばされた事に対し、高町さんから叫び声が聞こえる。
その言葉には『もう、やめさせて』という悲願が込められているのだろう。

しかし、恭也さんはそれを認めない。
なぜならば士郎さんはまだ構えている……あの目はまだまだやる気の目だ。

「……神速…二段重ね……」

「なっ!? 父さん!」

士郎さんがそう呟いた時だ、恭也さんから慌てた声が響く。
何だ? 何なんだ? という疑問が驚愕に変るのに……時間は掛からなかった。
というのも…士郎さんが消えたのだ……。

士郎さんと俺との距離は8メートルだったはず……
いくら神速の高速移動を使ったからって、俺の目で追えない筈がない。
現にさっきまで捉えていたのだ、ついていけてたのだ……それが、なぜ急に。

「―――これは少し痛いぞ? 神田君」

「ッ!?」

現れた……目の前に。
しかも、もう攻撃モーションに入ってる。
しかし、今の士郎さんの構えは見る限りでは右ストレートを放つ構え。

なぜ? なぜ小太刀を使わない!?
鉄塊状態の俺に拳なんて自殺行為を、なぜ!?
様々の思考が刹那の内にどんどんと溢れていき……混乱
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