第二の始まり〜
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「よっ・・・と」
そのまま歩き出そうとした時、気配を感じて振り返った。
「グルルル・・・」
「魔物・・・!」
たしかウルフと呼ばれる魔物。
「・・・なるほど」
様子を見る限り、食料目当てで村を襲う気か。
「・・・今退けば後で食料を持っていってやる。だから、村を襲うのはやめろ」
「ガァァァ!」
「『断る』・・・それがお前の答えか?」
「グォォ!」
「『退け』・・・か、断る。お前こそ退けよ」
俺は魔物の言葉が分かる。理由は・・・今は話す余裕がない。ウルフが噛み付いて来るが、俺は避けながら・・・あの言葉を口にする。
「“開け”」
俺の能力を使うためのキーワード。そして開いた空間から、白と黒の入り交じった方天画戟を引きずり出し、構える。
「ガァオオンッ!」
「ふっ!」
素早さで相手の死角を狙う。
ガゴン!
「オラァ!」
そして、防ぎようのない全力の一撃はウルフの爪を砕く。
「まだだ!」
更に、容赦なく攻めて、ウルフにダメージを与えていく。
「・・・」
これらは全て俺の記憶にある奴の二番煎じ。ソレに近くはあれど、抜ける事はない。
「・・・なぁ、ここまでにしよう。お前だって命を捨ててまでそこまでするのは・・・」
「ガァァァァ!!」
ウルフは俺が言葉を理解できない咆哮で跳んでくる。
「・・・バカ野郎が!」
俺は方天画戟を回転させ、石突きでウルフに突きを放つ。
ガゴォン!
「ガ・・・」
ウルフはその場に崩れる。
「・・・」
その時、小さなウルフが倒れているウルフに近寄る。
「・・・お前」
「がるる・・・」
「・・・こいつの子供か・・・なんでこんな事を・・・」
「あう!」
「『自分の餌を取りに行った』だって?」
俺はウルフに近寄り、手をかざす。
「ふぅ・・・」
そして詠唱を開始する。
「癒しよ・・・ヒール」
癒しの術は第七の音素の特徴。それと、俺は全ての音素の適正がある。・・・ちなみに、第一から第六までは適正がなくても何とかなるが、第七は違う。そもそも第七音素は従来の音素と違い、属性を持たない。そして、第七音素は適正が無いのに使おうとすると・・・音素が暴走する。つまり、第七音素は産まれた時にランダムに与えられる特殊な音素という訳だ。
「・・・よし、取りあえずこれで大丈夫。・・・悪いな、今はこれぐらいしか・・・」
俺は空間に入れておいたリンゴをウルフの近くに置く。
「じゃあな。・・・家族を傷つけて・・・ごめん」
俺は立ち上がり、方天画戟を空間に投げ入れて村に向かって
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