暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
第二の始まり〜
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士は何をやっているんだ、と言いたかったが・・・俺でさえこの様だ。兵士は完全に眠りに入っていると見て間違いない。

「ま・・・待て!何者だ!」

空間を開いている暇は無い。俺は飾られている甲冑から剣を奪う。

「・・・まさか、私の譜歌(ふか)を聴いて平気な人がいるなんて・・・」

少女はそう呟いた後、何処からか取り出したナイフを投げてくる。

「チィッ!」

剣を振り、ナイフを叩き落とすが・・・

「甘いわ」

足元にナイフが三本刺さる。

「まさか・・・!」

避けようとしたが、時既に遅し。ナイフから放たれた光が結界を作り、俺を閉じ込める。

「しまった・・・!」

少女は中庭へと歩いていく。・・・そして、しばらくした後・・・中庭がいきなり輝き、光が収まる頃には少女とルークの姿が消えていた。

「何、が・・・?」

少女が消えると同時に結界が消える。


「ガイ!何があった!?」

俺は中庭に駆け込んでガイに近寄る。

「わ、わからない。いきなり・・・」

「疑似超振動が起きたのか・・・」

「え・・・?」

ヴァンが不意にそう呟いた。

「・・・私はすぐにファブレ公爵にこの事を伝えてくる。・・・すまないが、君達にはルークの捜索を頼みたいのだが・・・」

「(コクッ)」

「・・・はい」

俺とガイはそう返す。俺は部屋に戻り、タンスから無造作に服を引っ張り出す。

「仕方ないか・・・たく、手間のかかる奴だな」

黒いシャツ、黒いズボン。左手に黒ずんだ腕を隠すように肘まである手袋。そしてボロボロの黒いマントを身に纏い、紅いマフラーを首に巻く。

「準備・・・完了!」

俺は外に出る。するとガイも部屋から出ていく。

「俺は準備完了だ。・・・ガイは?」

「こっちも万端だぜ。・・・悪いが、俺は先に行かせてもらう。ルークが心配なんでな」

「ああ、分かった」

ガイが走りだし、俺は中庭に誰もいない事を確認したら・・・腕を交差させる。

「ハァァァァ・・・」

身体を黒い闇が包んでいく。


「ウォォォォォォォォアアアアア!!」

変貌していく身体。俺はBモードを発動させる。

「・・・ハァッ!」

翼を動かして、空を飛ぶ。・・・この空を飛ぶことは・・・楽しい。よく亮が羨ましそうにしていたのを思い出す。

「(飛びたいなら浮遊魔法覚えりゃいいのによ・・・)」


・・・っと言ってみたこともあるが、答えは「そういう翼とか羽とかで飛んでみたいんだよ!」・・・だった。別に違いはないと思うが・・・



「とにかく・・・片っ端から見て回るしかないか・・・」

俺は村の近くで元の姿に戻り、着地する。

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