第二の始まり〜
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る。後は預言を詠むダアトという所もある。
「・・・」
俺は目の前にあるドアをノックする。
「・・・ルーク様。起きていますか?」
『サキか?入れよ』
俺は中に入る。中にいたのはこのファブレ家の一人息子。ルーク・フォン・ファブレだ。・・・簡単に言ってしまえば、アビスの主人公だ。
「・・・なあ、サキ。今日はヴァン師匠が来る日だよな?」
「ああ。確かな・・・俺、アイツ苦手なんだよな・・・」
ヴァン、というのはダアトにあるローレライ教団の人間で、ルークの剣術の師匠でもある。・・・だが、何故か俺はヴァンが苦手だ。理由はわからないが・・・
「楽しみだなー。ヴァン師匠と早く訓練したいぜ」
「まったく。まるで犬だな」
「んだと?」
俺とルークはお互いに軽口を叩く。実はルークも記憶喪失だ。子供の頃、マルクト帝国に拉致され、助け出した時には、まるで生まれたての赤ん坊のような状態だった。俺は数年前にここに来たが、ルークに俺の事を話したら、記憶喪失同士話が弾み、タメ口で話せる位の仲になった。
「・・・とにかく、もう少ししたらメイドが呼びに来ると思うから、それまで待ってろよ」
「おう。じゃあな、サキ」
俺は部屋から出ると、すぐに屋敷の掃除を始める。
「(まさか、自分が月や詠の仕事を体験する日が来るなんてな・・・)」
しばらく掃除をしていると、背後から声がした。
「ご苦労、サキ」
「あ・・・おはようございます、ファブレ公爵」
ルークの父親の、ファブレ公爵。俺をここで働かせてくれているのも、この人のお陰だ。
「・・・ルークの様子はどうだ?」
「今日は『ヴァン師匠が来る』と言って、外に出たいとは申しておりません」
「そうか・・・」
ルークは拐われて以来、この屋敷に軟禁(ルーク曰く監禁)されている。親として心配なのだろうが、ルークにはイマイチ伝わってない。
「ルークの事を頼むぞ」
「はい」
ファブレ公爵はそう言って去っていく。
「・・・」
どうもあの人はルークを避けている節がある。奥様はルークをとても心配しているが・・・
「とにかく、仕事を片付けよう・・・」
あらかた仕事を終わらせ、中庭を見るとガイと庭師のペールが見ている中、ルークとヴァンが訓練していた。
「おーおー、嬉しそうだな」
なんて見ていた時・・・
ーーーーー♪
「・・・?」
歌・・・?
ーーーーー♪
「・・・ッ!?」
その歌を聴いた瞬間、身体から力が抜けて・・・眠気に襲われて、片膝をつく。
「なん、だ・・・?」
その時、正面玄関から見慣れない少女が入ってきた。・・・見張りの兵
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