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GGO編ーファントム・バレット編ー
55.恐怖の黒銃
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スタングレネードで俺を行動不能にしといて、止めを刺ささないだと.......。

脳内で何度もやつの言葉が再生される。

『お前は、何もできず、ただ俺の銃弾が、死へと誘う光景を、指を咥えて、見ているんだな.......』

「テメェの思い通りにいくと思なよ.......《死銃》!!」

地面に落下した暗剣《シンゲツ》とファイブ・セブンを拾い上げ、まだ本調子じゃない体を無理やり走らせる。

(待ってろよ......キリト、シノン!)




階段の上部、市街地からは見通せない位置にキリトと並んでうずくまり、四度目《サテライト・スキャン》を待つ。

右手に衛星端末を握り、左腕のクロノグラフを睨む。

ジャスト午後九時になり、端末のマップ上に、白と灰色の光点が幾つも浮かび上がる。

「キリト、あんたは北からチェックして!」

北側の光点の群を生死かかわらずタッチし、名前を確認していく。《No-No》、《闇風》、《huuka》、《魔鎖夜》......どれも顔見知りの有名プレイヤーたちだ。もし探している名前がこの街に存在しないなら予想が外れたことになる。

いや。

「「......いた!」」

二人の声がシンクロした。

街の中央、スタジアム風の円形建築物の外周部。絶好の狙撃ポジションに《銃士X》はいた。

キリトと一瞬視線を見交わし、クロスチェックでそれぞれ確認し、同時に頷く。

「今この街にいるのは《銃士X》だけだわ」

「ああ、《スティーブン》と《リューゲ》はいないな。つまり、《銃士X》が《死銃》だということだ。狙っているのは、多分.......」

キリトが、自分の端末を示す。中央スタジアムからやや西に離れたビル上の光点......名前は《リココ》だ。

頷く間にも、リココの光点はビルの出口に移動する。道路に踏み出した瞬間、L115ライフルのスタン弾で麻痺させ、黒い拳銃で撃つのを阻止しなければ。

「掩護頼む」

「了解」

一言だけ答え、周囲の様子を窺ってから、右手で前進のサインをキリトに出すと同時に階段を蹴り飛ばす。

ほとんど廃墟とかしたフィールドの川の上に伸びる道を、私とキリトは全速で駆ける。現在この廃墟には、二人と死銃とその標的の他に少なくとも五、六人のプレイヤーがいる。

スタジアムの外壁はビル三階ほどの高さで、東西南北に一つずつ入り口が設けられている。
衛星スキャンの時から移動していなければ、銃士Xは西の入り口の真上あたりのはず。視力強化(ホークアイ)スキルの補正でオブジェクトの遠近エフェクトが薄れ、視界の解像度が増す。

「......いた。あそこ」

ちか、と夕日に一瞬光ったのは、間違いなくライフルの銃口だ。キリトもそれを確認す
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