暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
GGO編ーファントム・バレット編ー
55.恐怖の黒銃
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


「シノン、今だ!」

ボロマントを追う最中に現れたプレイヤー、夏侯惇(カコウトン)の銃弾を叩き落したキリトが叫び、右手人差し指でへカートのトリガーを絞る。

放たれた銃弾が夏侯惇のど真ん中を貫き、HPを全損させる。BoBの大会では、特殊ルールで死体はその場に残る。赤い【Dead】の文字が浮かび上がる。

「今の戦闘音で、もっと集まってくる。どこかに移動しないと」

「ああ」

キリトは頷くと、するどく視線をすぐ近くの川面に向けた。

「《死銃》は川沿いに北に向かったはずだ。いったんどこかに身を潜めて、九時の《サテライト・スキャン》で次のターゲットを決める気だろう。これ以上の死.......被弾者が出る前に奴を止めたい。アイデアを貸してくれ、シノン」

思いがけず頼られ、慌てて頭を開店させる。

「......いくら妙な力があると言っても、《死銃》は基本的にはスナイパーだわ。カバーの少ないオープン・スペースは苦手のはず。でも、ここから北に行くと、川向こうの盛りもすぐに途切れる。その先は、島中央の都市廃墟まで、ずっと見通しのいい野原よ」

「つまり、奴は次の狩り場に、あの廃墟を選ぶ可能性が高い......ってことか」

呟き、キリトは地平線に霞むビル群のシルエットを見やる。

「よし。俺たちも街を目指そう。川岸を走れば、左右からは見えないはずだ」

「.......わかった」

キリトの言葉に頷き、背後をふりかえる。
そこには、動かなくなったダインの《死体》が転がっており、普通ならいたはずの《ペイルライダー》は影も形も残さず消えている。

いよいよ、この島の主戦場たる都市廃墟に侵入した。

「追いつかなかったね」

足を緩めたキリトに、そう囁く。

「......まさか、どこかで追い抜いちゃったとか......」

そう続けると、振り向いたキリトは、難しい顔で背後の川面も見ながら答える。

「いや、それはないよ。走りながらずっと水中をチェックしてたから」

「そ、そう......」

そもそも、アクアラングを背負っていない限り、一分以上水に潜ってることはできないはず。L115などという大型ライフルを持つ死銃に余裕があるとは思えない。

「なら、もうこの街のどこかに潜伏してるはずだね。川はあそこで行き止まりだし」

入り口には頑丈な鉄格子でプレイヤーの侵入を阻止しており、例え、プラズマグレネードを百発投げ込んでも破壊は不可能だろう。

「そうだな.......。九時のスキャンまで、あと三分か。この廃墟の中にいる限り、衛星の眼をごまかす手段はないってことだよな?」

「うん。前の大会じゃ、たとえ高層ビルの一階にいてもマップに映ったから。隠れるのに大きなリスク
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ