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少年は魔人になるようです
第40話 少年達は尾行するようです
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ちから誘ったくせに、おっそいなあいつら。」


飛び石連休(連休と言っていいものなのか)一日目に行った刀子とのデート(木乃香談)

を見られたらしく、木乃香が昨日、


『ずるいーー!私らも愁磨はんとデートしたいーー!』


と言って来て、休日返上で買い物に付き合う事となった。

『私ら』と言っているように、刹那も来るらしく。こうして寮前で待機しているんだが―――


「愁磨せんせー、おはようございまーーす!ってかこんにちは?」

「あ、ああ。おはよう。どっちでもいいと思うぞ。」

「こんにちは〜。寮前にいるなんて珍しいですね。何しているんですか?」

「ちょっと、学園長からの頼まれ事だ。気にする事じゃない」


部活や買い物に行くため、寮から出てくる生徒皆に声を掛けられるので困る。

まさか生徒とデート(三人で行くのはデートなのかは置いといて。)に行くとは言えないし、

「いや、別に」だとなんか怪しい(女子寮にいても違和感皆無なのも置いといて。)


「しゅーまはーーん!ごめんなぁ、待ったぁ?」

「す、すいません!服を選ぶのに時間がかかってしまいました!」


と、玄関から二人が走ってきた。

謝りながらもいつもの笑顔の木乃香は、白のワンピースにピンクのふわふわした上着。

あわあわと謝っている刹那は、袖のないYシャツに黒のネクタイと同色のパンツ。

これだけを見れば、かわいい子に振り回される生真面目中学生だろう。

一方の持ち物がポーチで一方が真剣でなければ。


「刹那、時間かかったと言ってもいつも通りじゃないか。」

「うぅ、申し訳ありません……。」


苦笑しながら言うと、ショボーンと落ち込むサイドテール娘。

ジョークと取れないんだな、相変わらず。


「気にすることないよ。刹那の魅力を隠してしまう服よりはずっと良い。

むしろ魅力的だ、俺が保証する。」

「は……?……!?え、いえ、私などが魅力的である筈がありません!

いえ、愁磨さんが嘘つきとかそういう意味ではなくてですね?!」


顔を真っ赤にし、千手観音の如く手をバタバタする刹那。

なに、この子。思った通りの反応見せてくれるとか、すっごいかわいいんですけど。

抱きしめてもいいよねって寮の前だからまずいか。ってかわき腹がすごく痛いんですが。


「あの、何でしょうか、木乃香さん?」

「…………………………………………………。」


いつの間にか俺の斜め後ろに来て、わき腹を抓っている木乃香。

むくれているのか、頬がプクッとなっている。

原因が刹那だけ褒めたからであろうか、先に褒めたからかは定かではない。



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