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自殺が罪になった日
自殺が罪になった日
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 この日の岐路灯ワードは
〈「あいつはイジリ がいがある」とか 言ってんじゃねーぞ お前がみんなの一瞬の笑いをとるためにいじってんのは人のキモチだぞ〉
「人いじるのなんて普通じゃん。おなえさんはこんなの見て喜んでるの? きもい」
「喜んでるわけじゃないよ。しみじみ感じてんの」
「もっときもい」
「う るさい。もう行くから着替えろ」
「わたし。加工がいい。だっておなえさんみたいにうんちのにおいつけたく ないもん」
 彼女は自分の生徒より手の焼く 少女がルームメイトになると は思ってなかった。
 こうしてあと一〇日程、世間知らずのお嬢様の面倒を見る事になった。
 さ く らは期待を裏切らない行動を見せては彼女の逆鱗に何度も触れてそのつど、彼女に罵声を浴びせられた。
 しかし。
 数日が経ち、相変わらず寝坊はするは仕事はさぼるはのわがままし放題だが、さ く ら は彼女にこころを見せるよになった。
「ねえ。おなえさん。そっち行っていい? 吹雪で外がうるさく て寝れない」
「いいよ」
 さ く らは自分のベット から枕を持ってきて彼女の隣で眠った。
 それから、毎晩彼女と一緒に眠った。
 さ く らはその効果かはわからないが徐々にわがままはいわなく なり、仕事も 彼女のよう にはできないがさ く らの精一杯の一生懸命で頑張っていた。一方勉強の方はあまりにも学力が低いためと作業の疲れで睡魔が邪魔し、頭に入っていかなかった。その状況を打破しようと彼女は自分の生徒にはふるうことが許されない愛の鉄拳をふるい。さ く らに付きまとう 睡魔を追い払い。さ く らの頭の中に知識いれる隙間をつく った。
「痛い。また殴った、パパに言ってほんとの刑務所にいれてもらう よ 」
「水本に一日最低三ページは進まないと刑期一日伸ばすって言われてるんだからちゃんとやってよね」
「ねえ。今日もおなえさんがやってよ」
「だめだって。私いなく なったらどう するの? 一人でやるんだよ」
「水野さんにお金はらってやってもらう」
「やってく れるわけないでしょ?」
「一日一〇〇〇円でやってく れるっていってたよ」
「あいつ。あとで説教だ」
「そなこと ばっかりっかするから笹川二世とかいわれてるんだよ」
 彼女は意気消沈した。
「ほんと にそういわれてんの?」
「うん」
 この瞬間。笹川はく しゃみしたと考えられる。
「でも、笹川って言う のはこんなもんじゃないよ」
「どんなひと?」
「いんけんのいんけんでいんけんののいんけんだよ」
「で?」
「それはもう。あんなことからそんなことまで、やらせる。まるで鬼でした。いや鬼だった」
「あんなそんなじゃわかんないけど。こわいね」
「勉強やらないと笹川呼ぶぞ」
「はい。やります」
 愛の鉄
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