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自殺が罪になった日
自殺が罪になった日
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たんです」
「ねえ。そんなのただの脅しじゃん。あんたほんとにさとみを助ける気持ちあったの?」
彼女は水野の発言に怒りを覚え、罵声浴びせた。
「私が悪いの? 北原さんだって、ここ最近男にかまけてぜんぜん高山さんの話きいてあげなかったんじゃないの?」
「それはそうだけど。その事実しってたら。他のなんらかの行動は取れたでしょ?」
「二人とも止めな。もう、戻ってこないんだから」
 前野の言葉で再び食堂は静かになった。
 こうして彼女たちは食堂に来て一時間が経過した。
 しばらくして、食堂の扉が開いた。
 そこに入ってきたのは年配の男性と二〇代ぐらいの男性で共にスーツとネクタイを着用していた。その男性たちは両手に沢山の紙袋をさげていた。
 二人は刑務官が食事をするテーブルの上にその紙袋を置いた。
「おはようございます。はじめまして、わたくしはSKセキュリティーの霧野支店支店長小林と申します」
「はじめまして、同じく SKセキュリティーの清水と申します」
 支店長の小林、若手社員の清水の順で自己紹介をした。
「えー。この度、高山さんが亡くなった際に私共の警備員が席を外していて迅速な対応
をとれなかったことをお詫びします。誠に申し訳ありませんでした」
「申し訳ありませんでした」
 小林がその不手際について謝罪した。また、清水も謝罪した。
「すいません。お手洗いに行きたいんですけど」  
「はいどうぞ」
 前野がトイレいった。
「では続けます。つきましては、お詫びの気持ちをお渡しします」
「ちょっと待った」
 彼女が警備員のことに深く 触れない小林の説明に不満を持ち、手を上げた。
「あのう。質問はこれを配った後お答えします」
 彼女はその指示に従い。不満を一時閉まった。
「では、名前を呼ぶので返事をしてください。水野さん」
「はい」
「清水、水野さんは手前のやつ」
 この調子で小林が受刑者を呼び、清水が小林に指示された紙袋をその受刑者のもとに届けた。
「これで最後ですね。はい。北原さん」
 最後は小林が彼女のもとに紙袋を届けた。
 小林が彼女に紙袋を渡し、その場に立ち止まった。
「質問はなんですか」
「警備員は今どこにいるんですか?」 
「私共の灯野支店の事務所にいます」
「では、どうしてあの時その警備員は席を外したんですか」
「お手洗いにいってたそうです」
「そうですか。白を切りますか」
「何のことですか?」
「レイプの事ですよ」
「すいません」
 緊迫のした空気の中トイレから帰ってきた前野が扉を静かに開けて入室した。
 前野の座っていた席のテーブルの前にはあの紙袋が置かれていた。
「北原さん。そんな事実ありませんよ」
「ちょっとまってください」
水野が手を上げた。
「はい
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